【7/10追記】『がん専門相談員のためのがんゲノム医療相談支援マニュアル』***
はじめに
がんの治療をしている病院には、患者さんやご家族、お友だちなどからのご相談に対応されている「がん相談支援センター」があります。
診察中はなかなか相談できる時間がなかったり、主治医には言いにくかったりする内容などでも、無料・匿名で相談することができます。
通院先でなくても、またお電話でも構いません。
マニュアル
以上の定型文を前提に「がん遺伝子パネル検査」の相談では、どんな回答をする・されるのかについて、マニュアルがありますのでご紹介します。
第1章
検査の目的、種類、コンパニオン診断との違い、保険適用となる条件、がんゲノム医療●●病院などについて、説明しています。
第2章
提供体制と相談支援センターの役割になります。患者さんやご家族でしたら、イラストや図などを確認する程度で大丈夫かなと思います。
第3章
15個の「Q&A」が並んでいます。気になるものは「解説」までお読みになると安心かなと思われます。いずれも簡潔に説明されています。
第4章
前章までの知識を前提に、ケーススタディとして、5つの事例が紹介されています。
資料集
45頁の「治験・臨床試験を調べる際に参考となるサイト」は、ありそうでない一覧ですし、ひととおり網羅しています。
50頁のがんゲノム医療「中核拠点・拠点病院」一覧は、指定見直し前の情報なのでご注意ください。一覧にはありませんが、「連携」病院でも検査を受けられますね。
さいごに
前回は多角的な視点をテーマにしましたが、その派生バージョンが今回の内容でした。
「検査や診察で疲れてしまい相談に寄る余裕がないなあ」「相談は無料でも、通話料は掛かるし」と思われる方を想定してみました。上記マニュアルで解決することがあるかもしれません。
また、マニュアルをお読みになりある程度理解した上で、相談されるのもありかなとも思っています。置かれている状況はみなさんそれぞれ違いますので!
追記
その1
前回投稿時には、すでに改訂版があったようなのですが、検索ではヒットしませんでした…。もっとも、サイトの更新日(2023/03/15)からすると、すでに更新済み。ということで、追記します。
第4章では、血液検体(リキッドバイオプシー)の事例などが追加されています。
第5章では、コンパニオン診断薬等の情報が、一覧として新たに掲載されています。最新版のリンク先は、以下のとおりです。
一部のがん種において、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の適応判定を目的として、実施される検査です。その際、がん遺伝子パネル検査で用いられるNCCオンコパネルやF1なども、利用されることがあります。
「2023年9月25日版」だと…
たとえば、抗体薬物複合体のエンハーツ®(一般名:トラスツズマブ デルクステカン)も対象となっていること、2023年7月にがん遺伝子パネル検査として保険償還済みの「Guardant360® CDx」もコンパニオン診断として利用されること、が分かります。
その2(11/29)
2023年に新たに保険適用となった2種類のがん遺伝子パネル検査の特徴、既存の3種類との違い、選択のポイント、血液検体(リキッドバイオプシー)の出検のタイミング、など基本的な内容からマニアックな内容まで知ることができます。
また、追記その1の「コンパニオン診断薬」にも言及しています。運用方法については病院ごとに差がありますので、参考程度に。
その3(4/3)
更新された『がんゲノム医療提供体制におけるがんゲノム医療中核拠点病院等一覧表』では、以下の各施設が「連携」病院に追加されました。
その4(7/10)
以下の各施設が「連携」病院に追加されました。