【8/21追記】がんゲノム医療の体制**
まずは、前提知識です。
遺伝子パネル検査は、がんゲノム医療「①中核拠点」「②拠点」「③連携」病院でのみ受けることができます。
既存の又は新たに採取した組織検体and/or血液検体を検査にまわして、国内外の検査会社が解析するところまでは、①〜③とも共通です。
次に、解析結果をもとに専門家会議(エキスパートパネル)を実施して、解釈・検討します。エキスパートパネルは、①②の計45施設だけで実施でき、③は連携先の①②に依頼するという運用になっています。
以上を前提に、新たな体制について説明します。(遺伝子パネル検査は、マガジンにまとめています)。
1.「エキスパートパネル実施可能」がんゲノム医療連携病院
「エキスパートパネル実施可能」がんゲノム医療連携病院の指定を受けた施設では、自施設でエキスパートパネルを実施することが可能になりました。
その結果、以下のように分類できます。
③のうち、兵庫医科大学病院と九州がんセンターの2施設が「③-❶」に指定された形です。
2施設ともかつては「②拠点」でした。参考までに『かつての「②拠点」で、現在は「③連携」』は、以下のとおりです。
なお、③-❶であっても自施設で判断が困難な症例については、引き続き、連携先の①②に依頼することになります。
兵庫医科大学病院の連携先は「近畿大学病院(②拠点)」、九州がんセンターの連携先は「九州大学病院(①中核拠点)」です。
ここまでは、先月のつぶやきの補足です。
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さらに、一覧表が改定されました。
③-❶が10施設増えて、計12施設になります。
茨城・佐賀は「③連携」だけの県なので、自施設でエキスパートパネルが実施可能となる価値は大きいですね。
東京も「①中核拠点」「②拠点」がすべて23区内に集中しているため、西部(多摩地区)の都立多摩総合医療センターは貴重です。
・6/20追記(全14施設)
今回追加になった施設は、どちらも慶應義塾大学病院の連携先です。また、宮崎も「③連携」だけの県ですね。
なお、「【地域別】がんゲノム医療を受けられる施設」(中外製薬)のサイトが更新されて、2024年6月掲載となりました。
・8/19追記(全15施設)
岡山大学病院の連携先から、初のエキパネ実施可能施設が出ました。香川も「③連携」だけの県ですね。
以上、追記でした。
※以下、マニア向けです。
持ち回り協議のみ実施し、エキスパートパネルを必要としない症例の運用も、準備ができた「中核拠点」「拠点」ですでに開始しています。
2.「造血器腫瘍(血液がん)」遺伝子パネル検査
近い将来血液がんの遺伝子パネル検査も初の保険診療となる見込みで、今年3月末に大塚製薬が承認「申請」をしました。
固形がんは治療後半で保険適用となりますが、血液がんでは原発不明がんと同様に診断時からの保険適用も想定されています。
現状の「①中核拠点」「②拠点」「③連携」は、固形がんのゲノム医療を枠組みとして指定されてきました。しかし、指定されていない施設でも血液がんの治療を行っています。
そこで、新たに「造血器がんゲノム医療連携病院(仮称)」の設置も提言・検討されています(参考:『造血器腫瘍における遺伝子パネル検査体制のあり方とその使用指針』14頁)。
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まだ先にはなりますが、「承認」時には一般紙やネットなどでも大きく報道されると思います。患者さんやご家族にも分かりやすく整理された情報に期待しています。
↓完全にマニア向けです。
・8/21追記(薬審・プログラム医療機器調査会が了承)
正式承認まであと一歩です。
以上、追記でした。
厚労省さま
一覧表は、改定箇所が判別できない体裁になっています。どの施設が、いつの時点で、変更になったのか「履歴」もきちんと残してほしいです。
中外製薬さま
「【地域別】がんゲノム医療を受けられる施設」(中外製薬)のページは、都道府県別に施設が一覧になっており大変見やすいです。しかし、2024年3月以降更新が止まっています(5月23日アクセス)。毎月のように一覧表が改定されるため、嫌になったのでしょうか。
次回更新する際には、「エキスパートパネル実施可能」がんゲノム医療連携病院の指定の有無も併記していただけると助かります。
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小児も考えると『がん情報サービス』がベターですが、慣れていないと検索しにくいのが難点です(「条件を変更する」→都道府県を指定→「検索」)。また一覧性にも欠けるため、もう少しサイトを工夫してほしいところです。
なお、C-CAT(がんゲノム情報管理センター)でも、上記リンク先をご案内しています。
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