粒
永遠のロマンチスト、少年の無垢ー
こんな俺も居るんよ、って恥らうあなたは
穢れない魂と消えない夢の中で涙を流す
同時に
わたしがわたしで無いものに、
血反吐のような吐瀉物を吐き出して、どんどん変容する
消したい自我、現実、わたしそのもの。
それは存在すら希薄で
色も音も匂いも無の世界
出来ることなら、永遠に、留まっていたかったろうに
りんご売りの少女が、倒錯した夢に居るあなたを
正気に引き戻す
少女はあなたを救ったのかしら
残酷な程の無邪気さ、
少女の持つリンゴは
あなたを違うモノに変え
また戻してしまう
わたしに戻ったあなたが齧ったリンゴは
血を涙に変える魔力でもあったのでしょうか
“わたし”という肉体を無くして
自由に、
意識だけの粒・泡のような
薄い存在となって
彷徨したあなたを
覚醒させる少女は、救いなのでしょうか
出会わなければ、粒は熱を増して、融けてしまったのかしら
藤家秋さん。有り難うございましたm(__)m⤵️