心の骨格
色づき枯れて骨格を顕わにする
晩秋から冬
わたしの好きな季節は
木々の頼りなさ、孤独、
ひそやかな静を
わたしに与え
語らず黙し
彼ら自身も
自然の摂理に抗うことはなく
ただ耐えて在る
それが優しく
わたしを憩わせる
春の訪れは生の始まりであり
自然も動物も競って増え
輝かしい時を迎える
その喧騒が
その暖かさが
躍動が
病んだ身には重く
虚無の冬に篭り
果てたいと願ってしまうのだ
憑かれたように絵を描く文字を綴る
このこと自体を、
まだ残った溢れる熱情と視るか
狂気・虚無からの逃避と視るか
少なくとも
押し潰されないための行為であることは間違いないのだ
憂鬱と夢想の同居が
わたしの魂を救い
心の枝葉を削ぎ落とし
骨格だけの伽藍の祠を
露呈する
もとから祠に棲む少女であったのだ
裡なる少女の慟哭は
大人のヒトガタをしたわたしを
宥め包み
まだまだ、残酷な神に
支配などされてたまるかと
叱咤の声に変わる