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君だけのハーモニー:自由詩と私

・・・おやおや?

君、さっきまでここに居たよね?
どうしてわかるかって?

僕は君の”気配”を感じることが出来るんだ。
僕は君だけを探知する「超能力者」なんだ。

・・・ウソウソ。

君が残した”モノ”を見つけたんだ。
え?それは”何”かって?

僕は君の”香り”を感じることが出来るんだ。
僕は君だけを嗅ぎ分ける「警察犬」なんだ。

・・・ホントだよ?

君がつけてるその香水パルファム
僕が「好き」と言ったら毎日つけてくれてる
柑橘系の優しく包み込むような香り。

君がいつも使うシャンプー。
君の栗茶色のボブショートから漂う
少し甘い感じのくすぐったくなるような香り。

君が塗ってるハンドクリーム。
僕よりずっと小さい君のスベスベな手に
淡いローズのうっとりするような香り。

君がその身に纏うのは
そんな”香り”たちが織り成す

君だけのハーモニー。


・・・ゴメン。

僕は「警察犬」じゃなかったみたい。
君の奏でる音楽に魅了された一人の「聴衆」。
最前列で君を応援する「熱狂的なファン」だ。

だから君が書き記した五線譜を辿れば・・・。

ほら、そこには君が居る。
イタズラっぽい笑顔を浮かべて
僕を待ってる君が居る。

・・・うーん。

僕はやっぱり「犬」なのかも。
君の周りを駆け回る無邪気な「仔犬」。
君に抱きかかえられて嬉しくてたまらなくて
シッポを振り回す小生意気な「わんこ」。

・・・頑張らないとね。

僕はなりたいんだ。
いつまでも、君の隣りで一緒に旋律を紡ぎ出す
「演奏者」に。

だからもっと聴かせてよ。
いつまでも、君だけのハーモニーを。


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