(86)厚生年金保険の特定適用事業所について その3
さて、一口に「短時間労働者」といっても健康保険法・厚生年金保険法では、次のように捉えています。
☆☆☆☆☆資料110 ~ 被用者保険の短時間労働者への適用に関する経過措置/健康保険法平成24年改正法附則第46条、厚生年金保険法平成24年改正法附則第17条
①被用者保険の適用事業所のうち、雇用されている「特定労働者」が常時5
0人を超える被用者保険の適用事業所を「特定適用事業所」といいます。
(第12項)
※「常時50人」というところを何度かに分けて引き下げてられていま
す。
↓
↓
②「特定労働者」が常時50人を・・・
1)超えた「適用事業所」は「特定適用事業所」となります。
2)超えない「適用事業所」は「特定適用事業所」ではありません。
★★★★★資料110はここまで ~
被用者保険の「適用事業所」が「特定適用事業所」か否かによって「短時間労働者」についての取扱いが異なることになります。
「特定労働者」が51人以上いる「適用事業所」は、「特定適用事業所」ということになります。
☆☆☆☆☆資料111 ~ 厚生年金保険の短時間労働者への適用に関する経過措置/健康保険法平成24年改正法附則第46条、厚生年金保険法平成24年改正法附則第17条
①「特定適用事業所」とは、事業主が同一である一または二以上の適用事業
所であって、その一または二以上の適用事業所に使用される特定労働者の
総数が「常時50人」を超えるものの各適用事業所をいう。(第12項)
※健康保険法では ・・・
「適用事業所」は、健康保険法第3条第3項(適用事業所/省略)の適
用事業所をいい、国または地方公共団体の適用事業所を除く。
(かっこ書)
※厚生年金保険法では ・・・
「適用事業所」は、厚生年金保険法第6条(適用事業所/省略)の適用
事業所をいい、国または地方公共団体の適用事業所を除く。
(かっこ書)
年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要 ~ 厚生労働省のホームページより
②被用者保険の適用拡大。(厚生年金保険法、健康保険法、公的年金制度の
財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正す
る法律、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法)
1)短時間労働者を被用者保険の適用対象とすべき事業所の企業規模要件
について、段階的に引き上げる。
現行500人超。
↓
100人超。(令和4年〔2022年〕10月1日施行)
↓
50人超。(令和6年〔2024年〕10月1日施行)
参考までに ~ 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大(日本年金機構のホームページより)
③平成28年10月から短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適
用拡大が実施され、特定適用事業所で働く短時間労働者は、健康保険・厚
生年金保険(社会保険)の加入対象となっています。
④特定適用事業所の概要。
1)企業規模要件
・・・ 特定適用事業所に該当する適用事業所の企業規模は段
階的に拡大され、令和6年10月からはさらに厚生年
金保険の被保険者数が51人以上の企業等で働く短時
間労働者の社会保険加入が義務化されます。
2)留意事項
・・・ 以下の事業所は被保険者数にかかわらず、短時間労働
者の適用拡大の対象です。
a)「国に属する事業所」。(平成28年10月から)
b)「地方公共団体に属する事業所」。(平成29年4月から)
★★★★★資料111はここまで ~
今回はここまでです。またよろしければ次回(11月17日予定)もお読みください。