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(91)厚生年金保険の特定適用事業所について その8

 前回までで取り上げました「4要件」のうち3つの要件について、それぞれどうとらえるのかを取り上げていきます。まず「1週間の所定労働時間が20時間以上」についてです。

☆☆☆☆☆資料117 ~ 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の更なる適用拡大に係る事務の取扱いについて ~ 令和4年3月18日/保保発0318第1号・年管管発第0318第1号/

①1週間の所定労働時間が20時間以上であること。

 1)1週間の所定労働時間とは、就業規則、雇用契約書等により、その者
   が通常の週に勤務すべきこととされている時間をいう。

   ※この場合の「通常の週」とは、祝祭日及びその振替休日、年末年始
    の休日、夏季休暇等の特別休日を含まない週をいう。
    →「特別休日」は、週休日その他概ね1ヶ月以内の期間を周期とし
     て規則的に与えられる休日以外の休日をいう。

 2)1週間の所定労働時間が短期的かつ周期的に変動し、通常の週の所定
   労働時間が一通りでない場合は、その周期における1週間の所定労働
   時間の平均により算定された時間を1週間の所定労働時間とする。

 3)所定労働時間が1ヶ月の単位で定められている場合は、その所定労働
   時間を12分の52で除して得た時間を1週間の所定労働時間とす 
   る。

 4)所定労働時間が1ヶ月の単位で定められている場合で、特定の月の所
   定労働時間が例外的に長くまたは短く定められているときは、その特
   定の月以外の通常の月の所定労働時間を12分の52で除して得た時
   間を1週間の所定労働時間とする。

 5)所定労働時間が1年の単位で定められている場合は、その所定労働時
   間を52で除して得た時間を1週間の所定労働時間とする。

 6)所定労働時間は週20時間未満であるものの、事業主等に対する事情
   の聴取やタイムカード等の書類の確認を行った結果、実際の労働時間
   が直近2月において週20時間以上である場合で、今後も同様の状態
   が続くことが見込まれるときは、その所定労働時間は週20時間以上
   であることとして取り扱う。

 7)所定労働時間が、就業規則、雇用契約書等から明示的に確認できない
   場合は、実際の労働時間を事業主等から事情を聴取した上で、個別に
   判断する。

参考までに ~ 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大(日本年金機構のホームページより)

②週の所定労働時間が20時間以上であること
    ・・・ 週の「所定労働時間」とは、就業規則、雇用契約書等によ
        り、その者が通常の週に勤務すべき時間のことです。

 ※雇用保険の取り扱いと同様です。

③「所定労働時間」が週単位で定まっていない場合の算定方法。

 1)1ヶ月単位で定められている場合。

    a)1ヶ月の所定労働時間を12分の52で除して算定します。

    b)特定の月の所定労働時間に例外的な長短がある場合は特定の月
      を除いて算定します。

 2)1年単位で定められている場合。
      ・・・ 1年間の所定労働時間を52で除して算定します。

   ※1年間の月数を「12」、週数を「52」として週単位の労働時間
    に換算するものです。

 3)1週間の所定労働時間が短期的かつ周期的に変動する場合
      ・・・ その周期における1週間の所定労働時間の平均により
          算定します。

★★★★★資料117はここまで ~

 この“20時間”には、残業時間などは勘案せずに、基本的には労働契約上の所定労働時間によって判断されます。ただし、実労働時間が2ヶ月連続で週20時間以上となり、なおも引き続くと見込まれる場合には、3ヶ月目から社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入することになります。

 今回はここまでです。またよろしければ次回(12月22日予定)もお読みください。

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