【休職日記2】想定外の朝活
眠れない。
睡眠サイクルに難ありの私には、今では週に一度程度のペースでこんな日が訪れる。寝ないとと思いながら布団でゴロゴロしているうちに、お天道様がよっ!と顔を出した。
…そんなキラキラした顔みせられても困るだけなんだけど。と、私は思わずムッとしてしまった。
現在の私は睡眠障害、食欲不振、興味の喪失とともになんとなく時間を過ごしているので、早起きしてもやりたいことは浮かばない。
と言いつつ身体は動くようだったので、過去に作成したやりたいことリストをみて、朝っぽいからとなんとなく選んだ「パン屋に行く」を実行した。
開店時間より前にお店に到着しスマホをみながら時間を潰していると、だんだんと車と人が集まってきだした。私はマップだけを見てお店を選んだので、そこが人気店なのかどうかも知らなかった。こんなにものお客さんが開店を待つのならきっと美味しいのだろうな、と思った。
”自分の最近の食事量からして、1つか2つパンを買えば十分、食べきれなかったときのために冷凍できるものにしよう”
…そう考えながらお店に入った。
様々な種類のパンが、きれいに並んでいた。
それを見て、私の心はほんの少しだけ弾んだ気がした。
気づけばパンを5つもトレイに迎えていた。
実は私は食いしん坊の万年ダイエッター。少し前まではパン5つなら一食で攻略可能だった。パンを前に若干ハイになっていたこの時の私には、あわよくば朝昼晩ですべて食べてしまおう!他にももっと買ってみよう!という気概すら芽生えていた。
しかし今はそれをすると身体が悲鳴を上げてしまうので、それ以上買うことはやめておいた。
パンが入った袋を片手にお店を後にしてすぐ、ごくごく自然に「またここに来よう」と思った。それはとても久しぶりの感覚だった。
帰宅して、さっそくカレーパンを食べた。
”サクッとモチっとした生地の中にカレーが入っているなあ。あ、大きなお肉が入っている。すごーい”
私の感想は、感想と言っていいのかわからないくらいに情報の羅列でしかない。だがその羅列は、いつもよりワクワクしているような気がした。
おいしいものは世界を彩る
それをもう一度信じてみてもいいのかな、と思った。