ウルトラマラソンの聖地、浜頓別を走ってみた2022
「来年はオリンピックの年で、ちょうど開会式の時期とかぶりますので、参加者は少ないかもしれませんが、来年もお待ちしています。」
2019年の後夜祭。町長がそう発言すると、どっと笑いが起こった。「この大会は特別。もちろん参加するよ」と、みんなそんな表情でした。
しかしこの時、誰がこの状況を予想しただろう。コロナ禍によりオリンピックは2021年に延期。2020年はランナーたちのマスク未着用によるランニングが叩かれ、マスクをつけながら走る文化が出来上がってしまいました。
市民ランナーにとって暗黒の2年でした。
大会は軒並み中止。開催が決定されても参加料は値上げされ、健康観察の書類の提出が求められし。毎日走っている人が不健康なはずがない。練習も一般人と距離を保って走る気遣いをしなければならない。スポーツジムも緊急事態宣言やまん防の時期は閉鎖される。
大会が思うように開催されないとなると、モチベーションが低下。次第に走る距離も無難な数字になっていく。筋肉がみるみる衰えていくのが分かる。つかなくていい肉がついてしまい、今まで切れた服が小さくなったのを実感する。
鈍った体に活を入れたい!
ランニングの喜びを再認識した聖地で走りたい。
7月末浜頓別に車を走らせた。
朝6時、オホーツク海を北上し、一路浜頓別へ。
この日は、オホーツク沿岸にしては25℃と珍しく気温が高い。
国道239号線沿いにある、ウソタンナイ砂金採掘公園の像(60㎞の関門を過ぎて右折してぶんちゃんの里に向かうあたり)を過ぎ、風車が回るいかにも北海道という景色を眺めると、
「あれ、風車の数って2つだけだっけ?」
そう思っていると、海沿いを走るはずの国道が湿地帯に向けて緩くカーブしていく。直進するはずの道路が封鎖されて工事していた。カーナビを見ると道なき道を走っている。
浜頓別市街地に入ると、朝早いためコンビニ以外はしまっていた。しばらくすると右手に道の駅と体育館、左手に役場が見えてきた。スタート地点付近の十字路はランナバウト(ロータリー)に改装していた。ぐるっと回って道の駅に停車。
今回は目標30㎞。エサヌカの直線を折り返して戻ってきたい。体の調子が悪ければ20㎞を最低ノルマと考えた
スタート地点から大会同様クッチャロ湖にむかってゆっくりと走る。大会があると整備されるのだろうか、歩道の雑草がとても目立つ。クッチャロ湖はキャンパーが多く、家族連れがとても多かった。ウインドサーフィンをしている人もいた。
ここでうっかりコースを間違え左折するのを忘れ、体育館横の道路に出てしまう。再度道の駅横を通って前半のコースに戻る。
再び国道238号線に戻ると、遠くによつ葉乳業の建物が見えてきた。休日だというのに交通量は少ないが、ライダーが気持ちよさそうに走っている。
この地域はホタテ漁のおかげで羽振りのいい人が多く、「なぜこんな街に?」と思うような高級外車をよく見かけます。レクサスやロータスが普通に走っていて、まるで異世界のよう。
国道を右折し農道に入ると、牛たちが草を食んでいた。いつもなら早朝5時半ごろ。その時間にはすでに牛たちが放牧されていて、ランナーたちを出迎えてくれた。今日ははるか遠くに確認できる。
このあたりから、陸から海へと強い風が吹いていて気持ちがいい。2019年も陸から海へ吹く風で、2018年は海から陸へ吹いていたと記憶している。
快晴とはならなかったが、どこまでも続く直線が広がる。大会では立て看板があり、否が応でも気持ちが高まったのを覚えている。
エサヌカは道産子の私でもあまり見ることのない風景。傾斜もなく8㎞の直線なんて北海道でも珍しい。あまりの直線に気の遠くなる人がいるかもしれないが、はるかかなたにある牧草のロールが目印となってるから、少しずつ前に進んでいる実感はわいてくるから、気にならない方だ。
ほかのランナーさんによると、以前はコースの前半と後半が逆だったそうだ。反時計回りだったら60㎞地点。まだ体力があるうちだからいいが、時計回りだったら90㎞地点になるから、メンタル削られると思う。立て看板の文字通り時空が止まるところ。
エサヌカの1/4を過ぎたところで体に違和感を覚えたので、目標の30㎞を諦め、20㎞に切り替える。引き返して国道を目指したが、何とか20㎞を走って終了。国道に出る前の農道の直線でウォーキングに切り替えた。
1㎞歩いて体を休ませ、残りをジョグでと思ったが、800mほどでやはり体が言うことを聞かない。残り5㎞を歩いて終了した。
ダメな私 _| ̄|○
北オホは2022年も延期され23年に行われる保証はありません。
ウルトラマラソンの運営は大変なのは容易に想像できます。
ボランティアの数も多いし、安全対策も大変でしょう。
また、早朝からやらなきゃいけない。
今年はサロマも中止。
来年こそ、あの頃の日々が戻ってきてほしい
そんな切なる願いが届くことを期待します。
道の駅で着替えて、パンとお土産を買ってきました。
少し仕事が落ち着いたらふるさと納税もします。(毎年しています)
みなさん、来年は大会会場でお会いしましょう。