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インドネシアの愛国教育

こんにちは。
今日のテーマは、インドネシアの愛国教育についてです。  

インドネシアに住んでいた頃、インドネシア人の愛国心がすごく強いなと感じることがあり、今回はインドネシアの愛国教育について以下にまとめました。

①パンチャシラ教育の重視
②国旗掲揚と国歌斉唱の日常化
③歴史教育を通じた愛国心の涵養



①パンチャシラ教育の重視
 パンチャシラ(建国五原則)の教育は、インドネシアの愛国教育の中核を成しています。これは、(1)唯一神への信仰、(2)人道主義、(3)インドネシアの統一、(4)民主主義、(5)社会正義の5つの原則から構成されています。小学校から高校まで、週に1〜2時間のパンチャシラ教育の授業が必修となっており、国家の理念や歴史、市民としての責任について学びます。この教育を通じて、多様な民族や宗教を持つインドネシアの国民統合を図っています。例えば、教科書には各民族の伝統衣装を着た子どもたちが手を取り合う挿絵が掲載され、多様性の中の統一を強調しています。また、年に1回、全国の学校でパンチャシラに関する知識を競うコンテストが開催され、約100万人の生徒が参加しています。このように、パンチャシラ教育は国家への帰属意識と愛着を醸成する重要な役割を果たしています。


②国旗掲揚と国歌斉唱の日常化
 インドネシアの学校では、毎週月曜日の朝礼で国旗掲揚と国歌「インドネシア・ラヤ」の斉唱が行われます。これは小学校から高校まで全ての学校で実施され、約5,000万人の生徒が参加しています。また、多くの学校では教室に国旗と初代大統領スカルノと副大統領ハッタの肖像画が掲げられています。この習慣は1945年の独立以来続けられており、国家への忠誠心を育む重要な儀式となっています。特に、国歌斉唱は単なる歌唱ではなく、歌詞の意味を理解し、国家の歴史や独立の意義を学ぶ機会となっています。さらに、毎年8月17日の独立記念日には、全国の学校で特別な国旗掲揚式が行われ、約21万校で同時に国旗が掲揚されます。これらの活動を通じて、生徒たちは日常的に国家への帰属意識を強化しています。



③歴史教育を通じた愛国心の涵養
 インドネシアの歴史教育は、愛国心を育む重要な役割を担っています。特に、オランダからの独立闘争や建国の過程に重点が置かれ、国家の英雄や重要な歴史的出来事について詳しく学びます。例えば、中学校の歴史の教科書では、約30%のページが独立闘争に関する内容に充てられています。また、全国に約400ある博物館のうち、約100が独立闘争や国家の英雄をテーマにしており、学校の課外活動として頻繁に訪問されます。年間約500万人の生徒がこれらの博物館を訪れ、実物資料を通じて歴史を学んでいます。さらに、毎年11月10日の英雄の日には、全国の学校で特別な歴史授業が行われ、国家のために尽くした人々の功績を称えます。このような歴史教育を通じて、生徒たちは国家の成り立ちと発展の過程を学び、愛国心を深めています。


以上です。それでは皆さん良い一日を。

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