伊達の養蚕 #1
こんにちは!伊達の歴史を紹介する者です。
福島県の北部にある伊達地方の歴史について紹介しています。
第1回目は養蚕についてです。
今回は養蚕とはどのような産業なのかを解説します!
養蚕とは
養蚕とは簡単に説明すると蚕という蛾がサナギになるときに作る繭から生糸を作る産業のことです。
と、これだけ説明してもわかりにくいと思うので、蚕種、養蚕、製糸の順番に説明します。
蚕種
まず、蚕種家についてです。
蚕種家とは蚕蛾(成虫のことです)にタマゴを産ませ、それを販売している人たちのことです。
「たねや」とも呼ばれています。
蚕種家の人たちは下の写真のように蚕種紙と呼ばれる紙にタマゴを産ませ販売していました。
蚕種紙は下の写真のような蚕種框にメスの蚕蛾(成虫のこと)を入れ、
タマゴを産ませます。上の写真の場合は一番奥の蚕種框を使っています。
養蚕
続いて、養蚕についてです。ここでは、蚕を育て繭を生産することを指します。
まず、蚕種家から買い取った蚕種紙から蚕が孵化します。
蚕は孵化してから35日程度で繭になります。その間、4回の脱皮を繰り返します。
養蚕農家は蚕の餌である桑の葉を1日に何度もあげたり、病気にならないように部屋を清潔に保ったり、温度管理に気をつけたりなど様々なことに気を配りながら蚕を育てていました。
蚕は、繭を作るとき1200メートル以上の糸を吐きます。太さは3デニールほどですごく細いです。
良い生糸を作るには蚕の飼育がとても重要になってきます。
製糸
最後に、繭を生糸へと加工します。
幕末から明治期
生糸へ加工するときには座繰器を使っていました。
下の写真が座繰器です。
座繰器の前に繭煮鍋を置き繭を煮て糸口を探します。
糸口が見つかったら何本かをまとめて座繰器で巻いていきます。
大正期
明治時代末から大正初期にかけて器械製糸工場が設立されます。
そのため、機械化が進み手作業の座繰器による生産は激減していきました。
このような工程を経て、蚕が生糸になります。
最後に
長々とした文章になってしまいました。
ここまで読んでくれたみなさんありがとうございます!
次回は伊達の養蚕の「歴史」についてです。なぜ伊達で養蚕が盛んになったのかなどを書いていきます。10月21日投稿予定です。
よろしくお願いします!
参考文献
伊達教育委員会(2018)
伊達市文化財調査報告書 第1集 伊達地方の蚕種・養蚕・製糸関連用具
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