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このままにしててね

火曜日から孫の世話のお手伝いが始まった。
娘が東京出張で1週間不在。
娘たち家族はすぐ近くの中古住宅に引っ越してきて2年近く、3歳と6歳の孫たちは男の子でやんちゃ盛り。
すぐ近くにいるので婿殿の力になればと朝食の差し入れを買ってでた。

今日が最終日の4日目。毎日、いつもより早く起きて食べやすいおにぎりや卵焼き、サンドイッチなどを作って午前7時に訪問。
孫たちはそこから起きて1時間の間に食事、着替え、歯磨き、トイレを済まさなければならない。
大人のようにはいかない。
遊びが入ったり、機嫌が悪かったり、私はあまり口を出さ無いようにトイレ補助などに努める。
時間との戦いで、間に合わせるために子どもを動かす婿殿はとても大変そう。
世の共働きの親たちは保育園の送り迎えがあり、特に朝は口うるさくならなければ時間に間に合わないという、相当なプレッシャーの中で働いているのだろうなあと感じた。

昨夜は、仕事から帰宅後、主人もいたので保育園にお迎えに行き、婿殿を労うため、孫たちのお風呂と食事を我が家で引き受けた。
男の子の運動量はすごい。 
ぶら下がっている電気の紐をみつけては引っ張ったり、いろんなものをおもちゃにする。
特に2人いると喧嘩も入ったり、お猿のジョージみたいに動きまわったり、いろんなことに興味を持ちじっとしていない。

その声と騒々しさに、猫たちはさっといなくなり隠れてしまう。
唯一、ピンキーだけは子どもが大好きで自ら寄っていく。
この子は気に入らないと噛み癖があり、孫たちは何度か噛まれているので、孫たちも用心して距離をおいている存在だ。
そういうわけで、ピンキーだけはその騒々しい傍らで悠々と仰向けに横たわっている。


ソファーカバーがいつもズレ落ちる。そこで、トランポリンみたいにぴょんぴょんと飛び跳ねる。
飛んだらだめだよ!バネが壊れるから、とついつい口うるさくなってしまう。

夕食を作る間に、旦那にお風呂に入れてもらう。久しぶりに手作りホワイトソースのグラタンにする。
孫たちも今日は甘え気味で、タオルで拭き上げるのに動き回って時間がかかる。
程よく冷めたグラタンをやっと食べ始めた頃には私の体力も集中力も尽きてしまう。
男子を育てていない私は、
男子を持つ親たちは本当に大変なんだなぁとつくづく感じる。
残業を終えた婿殿が午後8時過ぎに来た。
シャワーを浴びてリラックスした様子。なんだか嬉しそう。

孫たちにはユーチューブを見せることにする。さっきまでの動きがが嘘のように止まった。

やっと平穏な時間が訪れた。
大人たち3人で労いのビールを飲む。
私たちはゆっくり食事をすることができる。
ユーチューブ様、ありがとう。

3歳の孫が動物のおもちゃで遊びだした。
帰り際、このままにしててね、といった。

このままにしててね


明日は来れないのになあ〜と思いながら、愛おしくて、うんといった。
もう、帰る時間だよというと、弟はまだ帰らないといい、兄はおやつ、おやつと、ふたりとも駄々をこねる。
私が帰り際、機嫌よく帰らせるために飴玉とかあげるので親にとってはあまりよくない習慣が身についてしまった。
まあ、いいか。

3歳の弟が嬉しそうに飛んできた。ひとつたけだよ。という婿の言葉。
お菓子の瓶から、ふたつふたつと言って取り出そうとしている。
私は、いいよ、ふたつね、といつも甘やかしてしまう。
まあ、いいか。


婿殿が、今日は食べるのはだめだよ、食べるのは明日ね、といった。
1個だけ食べながら帰りたい、という孫たちの言葉に私はまた頷いてしまう。
婿殿苦笑い。
まあ、いいか。

ハイチュウを頬張りながら機嫌よく靴を履く。
みんなで外に出た。
曇り空なのか星はまばらだ。
真っ暗な中、その後ろ姿を見送りながらホッとため息をつく。今日も無事に過ごせてよかった。

この机の上の動物たちのこと、
たぶんもう、忘れているよね。
小さな手で立て膝して並べていた後ろ姿を思い出す。
何を思って並べていたのだろう。
もうしばらくこのままにしておこう。

頑張っている子育て世代にエールを送りたい。
次世代の子どもたちを育ててくれてありがとう。

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