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子どもの嘘

嘘は発達段階に合わせて適切に対応しなくては、
その後の人間性に大きく影を落とす事があります。
そもそも大前提として、
「嘘をついてはいけない」という価値観をまだ子どもに教えてなければ、知るよしもないという事です。
また、相手を思いやる嘘もあるのに、その善悪をどの様教えていけば良いのでしょうか。悔しいという自分の心に嘘をついて、人の成功を讃える事もある。自分の欲する心に嘘をついて、やらなくてはならない努力をする場合もある。嘘と上手く付き合う術を教えていく必要があります。

まず小さい子は、罪のない、思いつきの嘘をつきます。嘘=空想の世界だったりもするので、ごっこ遊びも含めて子どもの身近に嘘はあふれています。無邪気で罪のない可愛い嘘は、その作り出した世界観を褒めるのです。

次に、自分を守る嘘をつきます。
苦手な食べ物が出たら「もうお腹いっぱい」と言い、
何かモノを壊したら「知らない」と言ったりします。
でもこれって嘘でしょうか?好きなモノなら別腹だけど、嫌いなモノなら食欲を感じないのかもしれないし、
壊してどこか見えないところに隠してたモノのことはもうすっかり忘れ去ってて、本当に知らないと思い込んでるのかもしれません。
だからこれは、追求したり嘘をついた事を怒ってはいけない嘘です。
まだ善悪の判断区別がつかない年次において、嘘をついたらダメだときつく叱ると、子どもを萎縮させてしまい、正直に話したり気持ちを伝えたりする事に対して臆病になってしまいます。嘘だと決めつけてしかるのではなく、真実を話せる事を褒めるのです。
例えば、ゲームをしている子に、宿題やったの?と聞いたら「やったよ」と嘘をついたとします。嘘でしょ?じゃあ持ってきなさいと叱ってはいけません。あら、そうなの?それは偉いわね、宿題を終わらせてからゲームするなんて素晴らしいわ、それならたっぷりゲームしてても大丈夫ね、と信じて褒める。信じられると逆に子どもは嘘に対して罪悪感を持ちます。自分を信じてる人を騙してる事にじわじわと苛まれるのです。これを3日も続けたら、必ず先に宿題をやってからゲームをするように勝手になります。嘘は簡単につけますが、信じてくれる人を裏切る事は簡単にはできません。自分を守る嘘は、元々は攻撃される事に対する防御からきます。攻撃されなければ必要ないものになるのです。

本当に叱るべき嘘は「人をだましたり攻撃したり陥れたりする嘘」だけです。こういう嘘をついた時だけは、
かなり大きくなってからだと思いますので、以前書いたように①それは人に迷惑をかける事であり、②人として恥ずべき事だ、として、しっかり話し合う必要があります。もしかしたら、嘘をついて罪をなすりつけた相手に日頃は虐められているかもしれません。前後関係や背景をしっかり話し合うことから、嘘はダメだとようやく教えられるタイミングが来るのです。

「嘘」の瞬間に間髪入れずに怒鳴りつけて、嘘をついた、と叱る親をたまに見かけます。
その嘘は貴方の攻撃から身を守る盾なのかもしれません。

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