[読書録]#シンFIRE論(穂高 唯希 著)
FIREという生き方
本書のはじめの一文は、"情報や雑音にあふれる この騒がしい世界に、 もっとも必要なのは、「主体性」である。 自分の頭で考え、 自分で判断し、 自分の意志で道を切り拓くこと。です。
著者は日本で早くからFIRE(経済的自立と早期リタイア)という考えを発信しており、人生をどう生きたいか、今後どうしていきたいかなど、「主体性」を持つために、あふれる情報との付き合い方や他人や自分との向き合い方から食事や運動といった健康について著者が考え抜いたであろうことやノウハウが、約400ページにわたり書かれている、生き方の本です。
いい学校、いい大学、いい会社に入り、一生懸命働いて、会社人として一生を終える人も多い時代が終わり、資産運用などで経済的に自立することで、会社に縛られないFIREという言葉を耳にするようになりました。
私も、10年以上1つの会社に勤めてきて、「いつまで働くのか?」と考えることがあります。流されて定年まで働くこともないと思えるだけでも、気持ちが軽くなります。またSNSなどの情報や友人や同僚など他者に対する考え方についてなんとなくモヤモヤしている人におすすめです。
本書の内容を全部取り入れようとするとストイックすぎて疲れそうなので、いくつかでも取り入れたいと思った一方で、すでに同様の考えを持っている部分のもあり、どんな人でも共感できる本だと思います。
FIREは悠々自適かと思いきや、単純に会社を辞めるという話ではないことがわかりました。SNSなどで「FIRE卒業」という文字を目にしたのもわかる気がします。
会社員でいてFIRE出来る状況になれたら、一生働き続けなければというストレスから解放され、いつでも辞められるという選択肢が発生するので、個人的にはこの状態を目指すのもありだと思います。
最後に、本書の内容を2つピックアップして、思ったことを書いて終わりにします。
「他人は他人、自分は自分」
SNSを見ているといろいろな人が情報発信しています。株式投資では自分ルールを持ちましょうとか、ドルコスト平均法で積み立てましょうとか、リスクは低いけど確実な投資方法があるにもかかわらず、SNS上の次にくる●●が気になってしまったときは、「他人は他人、自分は自分」と思えるようにしています。
「比較するから、不幸になる」
少し前に幸福度の高い国としてブータンが話題になったことを記憶しています。そのブータンもインターネットの普及により幸福度が低下しているようです。これはインターネットにより世界がどうなっているかが身近になし、他人と比較できるようになったからだと思います。
会社員ですので、他人と比較される状況にいます。組織である以上階級や役職があり、先輩・同期・後輩という関係性もあります。同期が昇進試験を受けた、受かった、落ちたなど聞くとすこしもやっとしますが、比較するから、不幸になる」と考え、自分とは切り離して考えるようにしています。
そもそも自分は昇進したいのかしたくないのか、どうしてそうなのか自分自身が納得して決断することが、本書でいう「主体性」ということだと解釈しています。