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青と黄色
この時期、職員室の窓から外を眺めると、イチョウの木が目を惹く。青い空に黄色い葉が映える。
とても良い景色だ。そう思う。
しかし、その時に青と黄色の組み合わせからウクライナのことを連想してしまった。ロシアとウクライナとの戦争が報道されなくなって久しい。
皆さんの中にマリウポリの20日間という映画を見たことのある人はいるだろうか。
この映画はロシア軍に包囲された、マリウポリ市で生活する記者が撮影したドキュメンタリーで、マリウポリを脱出するまでの20日間を記録したものだ。
この映画では、戦争映画に良くあるドラマ性はほとんどない。淡々と消えていく命が映し出される。街の風景は戦争開始から20日間の中で崩れ去り、人々の顔も20日間で表情が消えていく。怖かった、日常がこんなにも短い寿命しかない事が。
戦争が日常の中で静かに始まり、気付けば頭の横を銃弾が掠めるようになる。その間たった20日の出来事だった。映画の中でマリウポリの住人は、『何もしていない、気付いたら戦争になったんだ』と訴える
校庭で楽しそうに遊ぶ子どもたちを見ながら、日本という国について考えた。日本は中国にとっても、ロシアにとっても海洋運輸における非常に大きな障壁である。日本がなければ太平洋におけるロシアと中国の覇権はより強いものになっていた事だろう。日本という国もウクライナに負けず劣らず、戦争のリスクの高い要所の国である。
国力が無ければ戦争を回避することは難しい。青空と銀杏の元で、落ち葉を掴むことに夢中になっている子どもたちを見ながら、
私はウクライナで戦うことはできないけれど、戦争の惨禍が起こらないように子供達のために私ができる戦いをしようと思った。