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ビジネスコミュニケーションの基礎に必要なこと

はじめに

本書は、ビジネスコミュニケーション(=ビジコミ)の基礎に必要な押さえどころを紹介する本です。
それは、人間関係づくりの基本とビジネスに対する意識です。
ビジコミ力のカギを握る押さえどころです。

ビジネス活動を成果につなげる手段はコミュニケーションです。
ビジコミには、人間関係づくりの基本とビジネスに対する意識が反映します。
この押さえどころは、ビジネスパーソンにとって必須の押さえどころと言えます。

さらには、コンプライアンスやパワハラといった職場の問題を解決する第一歩は、「全従業員にここを押さえてもらうことから」とも言えます。

ちなみに、私はこれまでビジコミに関する研修を10数社で5年以上、長いところで24年担当しました。
ここでアドバイスした9割は感情コミュニケーションに関するものでした。

内容は、文章とイラストで紹介しています。

会社を団体や組織と、お客様を住民やステークホルダーといった言葉に変えていただければ、どの業種や職業の方にもご活用いただけます。

なお、例としている言葉づかいと非言語による表現は、実際には相手や内容、状況に合わせて変えていただく必要があります。

本書が、あなたのビジネス・パフォーマンスのサポーターとしてお役に立てれば幸いです。
田中義樹



1 ビジネスに必要な4つの意識

(1)お客様第一意識

お客様第一意識とは、「お客様のため」をつくることを第一とする意識
を言います。

事業活動の目的は、全従業員がベクトルを合わせ、共創によってお客様に選ばれるコトや物をつくり続けていくこと
です。

事業活動は、お客様に選ばれなければ成り立ちません。
「自分の会社は、ここが凄い、あそこが凄い」と言ったところで、凄いかどうかを決めるのはお客様です。
自分の会社や製品・サービスに誇りと自信を持つことは大切なことです。
でも、それらはお客様に選ばれるコトや物であってこその価値です。

たとえば、お客様第一意識のもとでのお客様応対では、お客様への「お願い」「お伺い」「できない」「わからない」と答えるときには、その理由を次のように「お客様のための理由」にするようにします。

「○○様の大切な○○ですから、○○によってご迷惑をおかけすることがあってはいけませんので(お客様のため)、○○をしていただけますでしょうか?」
といった感じにします。

(2)人財意識

人財意識とは、自身が組織において、なくてはならない存在であるとする
意識のこと
です。

組織の目的を達成するためには、従業員個々の能力が組織力最大化に向かう必要があります。
組織においては、全従業員が重要な存在です。

それだけに、どなたにも次の3つの組に入ってもらっては困るのです。
①完成組
②いまさら組
③私一人ぐらいは組

まず、「①完成組」ですが、人も会社も完成はあり得えません。
そういう思いを持った時点から人も会社も衰退への道を歩み始めます。

次に、「②いまさら組」とは、「いまさらどうしようもないでしょ。2年後には退職なんだから」も困るのです。
組織人としては、ベテランならではの持ち味を発揮していただく必要があるのです。

そして、「③私一人ぐらいは組」ですが、「私一人ぐらい、そこまでしなくたって大丈夫だろ」というような取り組み姿勢も困るのです。
こういった姿勢は他の人のモチベーションを下げたり、他の人に迷惑をかけかねません。
組織においては、誰もが目的達成のために大切な人なのです。

そのためには、次のようなスタンスをとるようにします。
①自己責任のもとでの前向きな取り組みをする
②相手や状況、内容に合わせた周囲への配慮をする
③論理的思考をメインにした共創によって問題を解決していく

(3)共創意識

共創意識とは、組織の目的達成のために次の3つの効果を生み続けていく意識のことです。
①補完効果
②相乗効果
③成長効果

組織には、いろんな知識や知恵、技術や技能、経験等を持った人がいます。
それが組織の強さ、凄さです。

組織活動においては、お互いが足らないものを補い合うことで、よりよい結果を生むことができます(補完効果)。
また、お互いが知恵を出し合うことで、新しい価値を創出できます(相乗効果)。
さらに、補完効果と相乗効果によって得た考えや方法をお互いが自分のものにすることができます(成長効果)。

つまり、達成感等によるモチベーションアップも含めて、お互いのレベルを上げることができます。
事業活動のあるべき姿は、これら3つの効果によって、「ねらいどおりの結果(成果)を生み続けていくこと」と言えます。

共創意識は、個の力を組織力最大化に向ける意識です。

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