【詩】花々
渋谷から井の頭線に乗った
音の五月蝿いアルミボディは
鈍感な剃刀の刃先
刃先の削る平行の道行きを行く
細い線状の
それ自体が亀裂である場合には
溝 空虚かもしれない印が
よく見ると 二重にも見え
血走りながら
手探りで探す間
何を考えているかなんて
興味も湧かない分泌物過ぎて
誰にも悟られたくない
射影幾何空間では
錆びついた味の意味を
問えない
フルーツバスケットに盛られた
しがらみ色の魂たちが
夜々 解き放たれるのをみる
息苦しくてもキラキラしてて
ヒリヒリと後退りしながら
今も瘡蓋にならずに
花開く渋谷を離れる
手のひらを天に向けカットする