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大学生がプログレに片足突っ込むまでの音楽遍歴②/③
前回は、音楽を深く掘り下げるようになるまでの経緯、ビートルズに辿り着くまでを書いたので、今回は続きです。
「みのミュージック」の動画を色々と見ていると、ビートルズは、ただの音楽のスタンダードではなく、そのスタンダードを作った存在だということを知り、益々興味が出てきました。
そして、どの名盤ランキングでも当たり前のようにトップに入ってる「Sgt.Pepper〜」を聴いてみました。でも、僕の心にはあまり響きませんでした。
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表題曲の「Sgt.Pepper〜」はカッコいいし、「Lucy In The Sky With Diamonds」は好きだなぁ。でも「Being For The Benefit Of Mr. Kite」はなんか気持ち悪い音鳴って意味わからねぇ、最後の「A Day In The Life」は超名曲だと思いましたが、史上最高のアルバムにするのには違うんじゃないか、と思ってました。
でも、いつか分かる時が来るだろうと思い、毎日聴き直しました。すると、少しずつ、良いと思える曲が増えてきました。
そしてある日、ほぼ全曲が飛ばさず聴けるくらい慣れてきたとき、「Getting Better」あたりで僕の頭の中に稲妻が走りました。
「点」である冒頭3、4曲のそれぞれが急に「線」で繋がった感覚になりました。そのとき、『あれ?これもしかしてとんでもない名盤なんじゃね?』と思い、その次曲の「Fixing A Hole」が始まってもこの感覚は止まらず、
むしろその次、その次と曲が進む度にワクワクしてきました。そして「Good Morning Good Morning」、「Sgt.Pepper〜(Reprise)」が始まり、
『え、まだ「A Day In The Life」あるやん!』とテンションMAXの状態で最終曲「A Day In The Life」を迎えました。
最初のジョンのボーカルが始まっただけで何故か泣きそうになるくらい感動し、途中のポールのパートに入った時にこれは名盤だと確信しました。そして最後のジャーーーンとインナーグルーヴが終わると、暫く余韻に浸らずには居られませんでした。
今まで何度も聴いたはずなのに、まるで初めて聴いたかのような感覚でした。
今までヒット曲とか、ただキャッチーな曲を選んで聴く、という聴き方をしていた僕にとってこの体験は、「最初は理解できないけどいつか点と点が繋がって全曲、そしてそのアルバムが大好きになる」というアルバム単位での音楽の楽しみ方を教えてくれる出来事でした。
それから、その他のビートルズのアルバムも聴き始めました。すると少しずつですが一枚ずつ、好きな「アルバム」が増えていきました。
その後は、ランキングなどで挙げられる名盤とされる作品を色々と聴いてみました。ビートルズに聴いたのは、これもランキングトップ常連のThe Beach Boysの「Pet Sounds」でした。
しかし、一曲目の「Wouldn't It Be Nice」や、
「God Only Knows」は名曲だと思いますが、未だにあまりアルバムとしての全体像が見えてこないままです。
その後は、
「Who's Next」からThe Who、
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「Paranoid」からBlack Sabbath、
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「Aja」からSteely Dan
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「MurMur」からR.E.M.
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など、他にも色んなアーティストに興味を持ちました。
その中でもライブ盤を聴いたり、書籍を買ったりで特に興味を持ったのがThe BeatlesとThe Who、Elton Johnでした。
このタイミングで、「プログレ」というものを知ります。
といってもなんか小難しいことやバカテクで長尺の曲をやるという印象しかありませんでしたが、
Elton Johnの名盤「Goodbye Yellow Brick Road」を聴きまくっていたら、
一曲目の11分もの長尺の「Funeral for a Friend〜」が大好きになっていたので、チャレンジしてみようと思い、
Yesの「危機」の一曲目である「Close To The Edge」を再生してみましたが、何一つ理解することができず、途中で諦めました。
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他にもプログレの名盤を漁ると、Pink Floydの「狂気」がプログレなのにとんだもないセールスを記録しているので、こんなに売れているなら分かりやすいだろうと思って聞いてみても、暗いしぼんやりしているし言語化できない違和感を感じました。King Crimsonというバンドの存在だけは知りましたが、もうプログレは勘弁だと思い一曲も聴かず、半年以上プログレは全く触れないようにしていました。
KingCrimsonの
21世紀の精神異常者
に衝撃を受けるまでは。
ここまで読んで頂きありがとうございますm(_ _)m
今回は高校生が、音楽を「アルバム」という作品として考え、より深く音楽に触れられるようになるまでを書きました。
この点と点が繋がってくるという表現に共感してくれる人もいるんじゃないでしょうか。
次回は僕の音楽遍歴語りの最終回にしようと思っています。
是非読んでくれればと思います!
おまけ(愛猫のウルちゃん)
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