いつもごきげんでいるのは難しいヨ
2024.9.6
落語が好きです。浅草演芸ホールでの9月上席、期待できる渋めの師匠方の出演と知り
出かけました。
電車の中の涼しいこと。汗拭きながら座席に座り隣に若い女性が座りました。電車が走り出すと同時に隣の女性が鞄の中をゴソゴソし出したので横目で見てたら、鏡を出して口紅を塗り始めました。次はマスカラ。
またか!電車の中でお化粧する女性を何度見ることか。早めに起きて家でやりなさい、せめて人目のない所でやりなさい とババアが言ったところで相手にはされないだろうから、ここは若い男性がガツンと言ってほしいな…などと思いながら電車を降りました。
今度は乗り換え電車のホームで、コンビニで買ったような揚げ物を片手で食べながら歩いて来る女性。ラフな服装だけど まあお洒落にしてる。またか!食べ歩きして良い場所を勘違いしてる女性 、やっぱりだらしないですぞ。
寄席に入るまでに何だかモヤモヤしたな~。
でもこんなことに心乱されてはバカバカしい。いつものことだと思いながら落語、色物楽しみました(^-^)/
銀座○○会と書かれた予約の団体席があり、着物姿の女性が10数名現れ予約されてたお弁当など食べながら楽しまれてました。粋だなー、銀座のママ風ではないし、踊りの会なのかなと一人で想像してました。
仲入り頃ぐらいでしょうか、気づくと皆さんもういない。えー!!これからがいいのにー。もったいない。トリは落語協会会長の柳家さん喬ですよー!と心の中で叫ぶ。すごく残念だな。でも大きなお世話ですよね。
たぶん、旅のスケジュールの中での一つだったのでしょう。
後半には笑点でお馴染みだった林家木久扇師匠が登場しました。ゆっくり歩いて来て椅子に座り、落語家生活の思い出話を息つく間もないほど86歳とは思えないくらい流暢に話されました。
寄席だから、同じ話を何度もされているであろうし、何となく聞いたことあるなというエピソードもあったけど、これが面白くてよかった。
笑点を降りて もう面白いことを言わなくていいと思うと肩の荷が降りたそうです。笑点55年、5人の司会者を見送ったと。立川談志、前田武彦、南伸介、三遊亭圓楽、桂歌丸。確かにそうだ。
師匠の師匠は林家正蔵(彦六)。浅草の稲荷町の二間の長屋住まい、通い弟子だったので朝8時半に師匠宅に着くと、普段着ではあるが きちんと着物を着て髪も整えて待っていたと。血圧が高かったからいつも声も手も震えていたんです、といつもの調子で真似しながら話されます。
お世話好きの師匠だったからあちこちに呼ばれ、80歳過ぎに敬老会の挨拶を依頼されたが「来てたのが60代と70代ばかりじゃねえか!」とぼやかれたとか。
昭和40年代白黒TVの頃、バスケットボールを見ながら師匠が「誰か教えてあげればいいじゃないか」とTVに向かって話しかけているから理由を聞くと「玉を投げても網が破れてるから落ちてくるじゃねえか」とまたぼやいたと(*^.^*)
立川談志が、伝統芸能を発信する建物を作る予算を俺が巻き上げてやるという意気込みで
参議院議員選挙に出馬した時、バイト代も昼ご飯もなく応援にかり出され「伝統を現代に! 伝統を現代に!」と繰り返し言わされた。で、選挙カーでの演説は犬の小咄を始めるという とんでもなく変わっていたんですと。
対照的なのが さすがの田中角栄さんで、自分が二つ目の時の新潟の仕事場の近くで、選挙カーでの演説を聞いた。田中先生!と叫ぶ大勢の応援者の前で
「『日中国交正常化 日中国交正常化。新幹線は私が引いたんです』などと堂々としたもんでした、さすがに犬の小咄とは大違いでした」と真似しながら話す木久扇師匠。
痛烈な批評に 寄席会場は大爆笑でした(^-^)/
木久扇師匠は 話す言葉がきれいで上品。だからどんなとぼけたこと言っても嫌みがない。
そして いつもニコニコしている。
噺家だから バカを演じているけど、バカになれる人ってすごく賢いんだよなと あらためて教えられた気がしました。
86歳でこんなごきげんな人間になれたらどんなにいいだろう。歳を重ねるならやっぱり
いつもごきげんでいたい。自分も他人も幸せのはず。なんて とっくにその境地に達してなければいけない歳の私なのに まだまだだなーと反省もしながら寄席を出ました。
浅草に出かけたら、観音様にはお参りだけはして帰ります。インバウンドの混雑した境内にはもう慣れました。
外国人観光客が神社の参拝と同じく二拍手してお参りしている姿にも慣れました。
でも その観光客を見て真似して参拝する日本人をまた見てしまいました。これには慣れません。あべこべです。教えてあげる立場ですぞ。
若い人達はSNSのXよりはinstagramやticktockのほうがよく使用すると聞きました。誰か これでバズるくらい投稿してほしいです(^-^; あ、またまたババアの愚痴です。
おかしいぞ!不思議だな!と感じるのは大事。私なんかいつも裏を探ってばかりなんです。で自分で不愉快になっても本末転倒。
気持ちを切り替え
ごきげん、ごきげん!何があってもごきげんに!を繰り返さなきゃ。
いつまで覚えていられるでしょうか。
難しいですね。一生の修行です。
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