享年52歳
偉大なる人
2024.2.12
先日 炬燵でぼんやり本読んでたら、夫がTVを着けてチャンネルをカチカチ変えて止まったのが「美空ひばり」の誰もが知るあの伝説のコンサート。
後日調べてみたのだが、1988年4月東京ドームでの公演を、最新の技術と新たに編集した特別な映像だったらしい。そんなこと
知るよしもがな、懐かしの映像かと思うぐらいでチラチラと横目で見ていた。やっぱ上手いしこうしてまた歌の女王を観れるのはTVのおかげだよななんて思いながら。
ふと何度か美空ひばりの顔を見るたび、確か52歳で亡くなっているのは知っていたけど、あれ?60歳の私よりお姉さんに見えないか?こんな小市民と美空ひばりを比べるのもおこがましく、美空ひばりを語るなんて恐れ多くてできることではないから そんなこと微塵にも思わないけど、私がすごく幼く感じる。>"<
私と比べては比較にならない。目は本を読みながら頭の中で いろいろと歌手や芸能人を思い浮かべて比較してみる。
先日惜しくも亡くなった八代亜紀はどうか?一度本物を一昨年見たが、キラキラして眩しいほどだったしお姫様みたいに可愛かった。
でも美空ひばりが年上に見える。
またこの人も演歌の歌姫、石川さゆりは?想像しながら、やはり美空ひばりが年上に感じる。
松田聖子はもう60歳超えたはず。彼女はポップスでまた違った魅力があるけど、やはり美空ひばりが年上に見える。
ならば、いつまでも若々しい女優の吉永小百合は?この方いったいいくつだろう。調べると78歳!そうだったのか。顔を浮かべながら、やはり美空ひばりが年上に見えないかな。
いったいどうゆうこと。画面の中の美空ひばりを目で追う。七色の声色とよくも言ったもので、この人にしか出せない声。
幼い時から歌ってきた貫禄。
私達は美空ひばりと聞くともう安心して歌声を聞けるし何をやってもそつなく演じる人だし、誰とでも堂々と対峙できる人というふうに当たり前の存在として見ていた。亡くなってもそうだ。
TVの画面で懐かしい映像を見ても何故かまだこの世にいる人みたいに偉大な美空ひばりは美空ひばりなんだと感じているのだ。
もう亡くなって34年。この映像は51歳。
そういえば現役の時も亡くなってからも、美空ひばりの年齢なんか気にして見たことはなかった。昭和の映像は誰でも老けて見えるし映像も技術的に現在と比べものにならない。
うまく言葉で表せないのだが、美空ひばりは美空ひばりとして我々は見ていたし、誰とも比べてみたことなかった。そして本当に歌の世界を一人で駆け抜けていった人なんだと
なんだか興奮にも似た気持ちが湧いてきた。
大腿骨頭壊死で苦しみ内臓もぼろぼろだったと聞く。私生活ではあまり恵まれなかったし、女王と呼ばれ孤独もあっただろう。
しかしこのコンサートの時の美しさはなんだろう。病んでる顔にも見えないし、苦労を背負った顔にも見えない。ましてや老けているという顔にも見えないのだ。
年齢なんてあるようでないような、他人とも比べられないほどの美空ひばりがそこにいるだけ。
これだけのことを炬燵の中でふつふつと考えていたら、急に眠くなった。
美空ひばりはまだ画面の中で歌っている。
子守唄のように安心して聞きながら眠れそう。そう何処ででも安心して聞いてられる人だったんだ。
偉大なる人をこうして名もないような者が記すのも申し訳ないのだが、尊敬と愛をこめて綴るのをお許しいただきたい。
このコンサートアルバムは「不死鳥」とタイトルがついている。よくぞつけられたタイトルだなとあらためて感じ入った。
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