もし高校野球の女子マネジャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら。感想文
■はじめに
来て頂きまして、有難うございます。
きっかけはどうあれ、この本と出会うことになりました。
よくよく調べてみると、アニメと映画(主演:前田 敦子さん)でも作品となっている物語でした。
さっそくですが、内容と感想を書きましたので、最後まで読んでいただけたら幸いです。
宜しくお願いいたします!
■第一章 みなみは『マネジメント』と出会った
みなみは「甲子園に連れていきたい」という気持ちがあるものの、監督を始め、部員達は、毛頭その気がない野球部だった。
まず、みなみはマネージャーとは何か?から始まり、マネジメントをしていく人だと理解した。マネジメントをより詳しく理解するため、本屋に行き、そこで1冊の本と出会った。ピーター・F・ドラッカーの本だった。
みなみは、組織の定義づけ=「野球部はどういう組織で、何をするべきか」を決めることとなった。
また、マネージャーはほとんどが教わらなくても学ぶことが出来る。初めから身についていなければならない資質が『真摯さ』であることを理解する。
<感想>
真摯な人間は、目標達成のために、ひたむきに努力することが出来る。
まず、この土俵に上がらないとマネージャーの資格はないのだろう。
真摯さがあってからこそ、人材の育成や業務成績を上げることができるのではないか。
■第二章 みなみは野球部のマネジメントに取り組んだ
野球部の「顧客」とは誰か。「定義」とは何か。「目標」は何か。を野球部員の正義と、親友でもあり野球部のマネージャーの夕紀とともに考えた。
顧客=『野球部部員は始めとする関係者すべて』
定義=『顧客に感動を与えるための組織』
目標=『甲子園に行くこと』
顧客・定義・目標が決まったことで、みなみは「マーケティング」に取り組み始める。マーケティングとは部員の心を開き、会話をするということだった。
<感想>
「自分の顧客は誰なのだろう?」
まずこの定義を決めることで今後の自分自身の言動・行動が変わってくる。
「顧客が求めているものはなんだろう?」
顧客の欲求を満たすためにはを考え直す、若しくは発見することが出来ると思う。
■第三章 みなみはマーケティングに取り組んだ
マネジメントの一つとして、「働く人に成果を上げさせる」という一説に、
みなみは、まずは最も近しい存在である、夕紀に成果を上げさせようとした。
入院中である夕紀に「お見合い面談」を提案する。
お見合い面談を行い、部員の現状のモチベーションや要望を調査する、「マーケティング」を行った。
次にみなみは、「マネジメントの組織化」に着手するために、「専門家」が必要であることを知った。「監督である加地」が専門家として適任であったが、コミュニケーション能力に問題があったため、監督と部員との「通訳役」が必要であることに気づく・・・。
<感想>
ドラッカーは「自分が売りたいと思っているものを顧客が買っていることは稀である」と言っている。
マーケティングを行い、市場の欲求は何か?自分が売りたいものありきで考えていると、需要と供給のバランスが成り立たなくなってしまう。
自分の顧客は、何を買いたいのかを考え直すことで、今後の自分のやるべきことが見えてくると思います。
■第四章 みなみは専門家の通訳になろうとした
みなみは、「人を生かす」という観点から、もう一人のマネージャーである「文乃」の強みを生かそうとしたのだ。
文乃は、頭の良さ・向学心・素直さが強みであり、専門家である監督の膨大な知識をインプットすることが可能と考えたからだ。
みなみは文乃に、監督からインプットした知識を利用し、「部員が思わず参加したくなるような、魅力的な練習メニューをつくってほしい」とお願いしたのである。
<感想>
部下に働きたくなる環境を与えて、自己成長を促すことが必要だと考える。
働き甲斐を感じさせるためには、責任を与える。
①生産的な仕事、②フィードバック、③継続学習が必要である。
能動的に行動するような仕組みを作ることが大切であると考える。
■第五章 みなみは人の強みを活かそうとした
監督の加地とマネージャーの文乃は練習メニューを変えていった。
「チーム制」を導入し、各チーム競争を行い、結果とチームとしての順位付けを行った。目的としては、各自に責任を持たせるというものであった。
改善に取り組むにあたって、
①分析=仕事に必要な作業と手順と道具を知らなければならない。
②総合=作業を集めプロセスとして編成しなければならない。
③管理=仕事のプロセスの中に、方向づけ、質と量、基準と例外についての管理手段を取り組まなければならない。
④道具
上述に従って、みなみと文乃、加地はチーム制練習の改善に取り組んだ。
チームの実力が付いてくると、「甲子園に出場する」という目標が、いかに困難かを思い知らされた。
みなみは次に、「イノベーション」すなわち新しい満足を生み出す事とした。
<感想>
人の強みは、大きく成長することができるが、弱みを強化することは、なかなか難しい。組織とは人の強み・弱みを各々でカバーし合うことで、より強固な組織が生まれてくると考える。
ただ、その環境を作ってあげるマネジメントが非常に大切であると考える。
第六章 みなみはイノベーションに取り組んだ
みなみは求心力を得て、周囲の人間を利用しながら、指導力を急激に伸ばしていた。
他の部活との合同練習、食糧の供給、試合結果を残せていないもののイノベーションの力により校内全体が向上した。
新学年、新入部員が増加、オーディションを行うまでとなった。
他の部活動に斡旋校内全体が向上し、野球部の社会的な地位が向上し、校内での他の部活動が協力した。
家庭科部は毎食の試食を用意し始め、チアリーディング部は吹奏楽部と野球部の練習に合わせて演奏、ダンスを開始した。
私立大学の甲子園経験者と練習試合を組み、やがて社会全体が向上となった。
この時、みなみはチームの甲子園出場を予感した。
<感想>
世の中に新しいものやサービスができる以上、顧客の欲求も変化していきます。顧客の欲求を先取りしてそのためのイノベーションを起こすことで大きな利益を得ることができると考える。
第七章 みなみは人事の問題に取り組んだ
夏の予選が開幕。みなみは、「成果よりも過程を大事にするべきか」「成果を至上目的とするべきか」問いにあたる。
病床の夕紀との対話で「甲子園出場の結果を出せなくても十分に感動している」という会話の中で、
「その通りだけど、管理職(マネージャー)としては結果を絶対的な指標にしなくてはならない。マネージャー自身がそれを言ってしまったら責任感に欠けると思う」と述べた。
いよいよ夏の甲子園予選が始まった。公式試合の経験がない野球部(春季大会とかはない)は、トップマネジメントを率いて地区予選を勝ち上がる。ミスからの乱調子で崩れることが多いチーム事情を考慮して、ミスの経験を積ませるような人事で試合に臨む。
そして決勝へ、という時点で問題が発生する。ショートの緊張感によるエラー癖だ。『マネジメント』にも答えは書いていない。だが、みなみはトップマネジメント筆頭として宣言する。
「たとえ負けることになろうとも、彼の成長を期待して使うのがマネジメントの責任だと思う」
とマネジメントスキルを発揮した。
<感想>
ここで必要となってくるのは、一番最初に出てきた「真摯さ」である。
失敗しようとも、エラーしようとも挑戦しないことには、人間は成長しない。それは自分自身にとって大きな経験となり、そして組織にとっても大きな財産となると考える。
それらをマネジメントできる「真摯さ」が必要となってくる。
第八章 みなみは真摯さとは何かを考えた
親友でありマネージャーの有紀が亡くなってしまったが、亡くなる前に「甲子園に行けなくたっていい。ここまで頑張ってきたその取り組みが大事なのだから」と有紀が言ったが、みなみは「結果が大事」と言った。
みなみは、それを思い出して後悔していた。
程久保高校は、目標である甲子園出場を決めたのであった。
<感想>
会社に例えると、努力は非常に大事だが、結果を残さないと売り上げは立たない。プロセスで満足しているのあれば、会社の存続はない。
成果が目的で、取り組みが目的ではないと考える。
■最後までお付き合いいただき、有難うございます。
私もこの本を読んだことで、自分のするべきこと、マネジメントを強化し ていきたいと思います。