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東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻(EEIS)修士課程受験体験記


はじめに

2024年度実施の東大電気系の修士課程入試に外部から第一志望研究室に合格しました。(筆記試験日:2024/08/26)このノートでは簡単な受験体験記を書きます。
試験が終わった直後に感じたことなどをメモしたので、それをもとに執筆しています。外部からEEISを受験するか迷っている人に当日の雰囲気も含めてなんらかの参考になると幸いです。

使用した教材・資料・詳しい勉強内容・過去問解答・特別口述試験や口述試験の詳細はこれから執筆する別の記事でご紹介したいと思いますので、ぜひフォロー/スキをお願いいたします!

EEISを受けた理由・動機

私は地方国立大学の電気・電子系学科に所属しています。やりたい研究が自大でできないことを3年次に知り、東大電気系を考えはじめました。受験する決意をしたのは4年生の4月くらいだったとおもいます。

院試の形式

一般試験と特別試験に分かれます。
[一般試験]
TOEFL+専攻調査票+筆記試験+口述試験です。
筆記試験においては6科目中2科目を選択し、150分間で解答します。二科目の試験は時間が分かれているわけではなく、まとめて150分間です。つまり自分で時間をマネジメントする余地があります。
私は、電磁気学と電気回路を選択しました。

[特別口述試験]
専攻調査票+特別口述試験です。(2024年度実施の代から新たに追加された試験形式です。)
ただし、選抜されなかったor選抜されても不合格となった時は、上記の一般試験を受けることになるのでどちらにせよTOEFLは受験すべきと思います。

参考として、オンラインEEIS説明会においてとある先生が、「学生と研究室のマッチングを重視する試験形式で、本当にその研究をしたい学生と研究室をつなげたい」のような旨をおっしゃっていました。こちらの特別試験に私も選抜されましたが、その通りだと思いましたので引用いたしました。

ただし、高いGPAが前提となります。どのくらいGPAをとればよいのかは公開されていません。専攻調査票の出来がGPAと同等かそれ以上に重要と個人的に思いました。

準備期間とスケジュール

4月ー5月初旬 TOEFL対策

TOEFLの対策をしていました。問題演習として使ったのは中国のKMFとよばれるTPO(Toefl Practice Online)です。使い方は以下のサイトをご覧ください。

中国TPOの使い方

単語帳は以下を使いました。「TOEFL 単語帳」で検索すると旺文社のものがヒットするかと思いますが、こちらの単語帳のほうが近年のTOEFLの傾向に即しており音声ファイルや付録なども大変充実していると思います。また、すべての単語に発音記号がついているのもおすすめポイントです。参考に私はこの単語帳を隅から隅まで覚えることで85点を超えることができているので、東大院対策にも過不足ない単語量と言えます。

また、記事執筆段階では未発売ですが以下の単語帳もチェックしていただければとおもいます。TOEFL公式の単語帳です。

[Reading]
上にあげた専用の単語帳をとにかくしっかり覚えたほうがいいと思います。あとは、長文を読む練習をKMFで積んでいきましょう。受験勉強でもなじみのあるリーディングですので特に問題ないかと思います。
[Listening]
TOEICなどと違って、一度に5分ほどきいてから問題が表示されるので、特殊なノートテイキングのスキルを習得する必要があります。ある程度訓練を積めば安定してくると思います。
[Writing]
短時間で、大量の文章を書く必要があります。テンプレートと呼ばれる型を事前に覚えてあてはめていくとよいと思います。注意点ですが、短時間で大量に入力するので、タイプミスが非常に増えます。(手書きではなくてタイピングでの文字入力なので)このタイプミスで結構点数が下がりますのでご注意ください。私は、Monkey Typingとよばれるタイピング練習サイトを用いて、タイピングそのものを練習しました。
[Speaking]
このパートも独特で、コンピュータに向かって制限時間内に話す練習をする必要があります。毎回、時間を計って必ず録音をすることをおすすめします。そうすることによって後から振り返ることができ、着実に能力を向上させることができると思います。

TOEFLは4技能テストであり、対策に時間がかかります。時間のある方はじっくり腰を据えて80点以上を目指すとよいと思います。ただし、知り合いに60点を切る点数でも合格している人もいるので試験まで時間がない方はそこまで重視しなくていいとおもいます。特に私は受験の決意を固めるのが遅かったにもかかわらず1か月以上TOEFLの対策のみ行ってしまったため、今考えるとほどほどにして筆記試験の対策に時間をまわせばよかったと思います。

また、一回4万円ほどかかるばかばかしいテストなのでできるだけ少ない回数で所望の点数をとれるように集中して勉強することをお勧めします。

5月初旬ー6月末 問題集で復習

私は電磁気と電気回路を選択したので、以下の参考書を軸に勉強しました。

「電磁気学演習」に関しては確かに網羅性は高いと思います。ただし、スカラー量の計算ばかりの章があるのでそこは飛ばすなり眺めるなりしていいと思います。筆記試験を受験して、基礎的な問題を確実に計算ミスをせずに解けるかが重要と感じたので、日ごろから計算ミスをしないように意識して勉強するとよいと思います。電磁気を選択する方は正直、大学図書館で気に入ったものを一冊やれば十分とおもいます。院試対策用として有名な「詳解電磁気学演習」は辞書的につかうのをお勧めします。(使わなくてもいい)

電気回路の二冊はおそらく市販の参考書のなかで最もわかりやすく比較的網羅性も高いものとおもいます。これをある程度固めることをおすすめします。東大では「電気回路」の試験問題に三相交流回路が出たことはさかのぼれる範囲ではありませんし今年もありませんでしたが、一応勉強しておくことをお勧めします。

また、電子回路については、まず学校のアナログ電子回路の資料を読み返しました。ただ、これだけでは理解できなかったので多くの資料を参照しました。要望が多ければ、別記事で紹介したいです。

これ以外にも使った参考書やサイトはたくさんあるので別記事でご紹介したいと思います。順次記事を追加いたしますので、定期的にご覧ください。

7月ー8月 過去問演習Ⅰ

EEISホームページに載っている過去問を解き始めました。一か月で1.5周ほどしたと思います。もちろん最初は全然解けないので適宜参考書などで確認しましたし、各種問題集も解きなおしました。

教科書や参考書を最初から完璧に理解していくのは難しいので過去問を軸として何度も教材を見返す勉強の仕方をおすすめします。

7/20 特別口述試験受験

特別入試を受験しました。Zoomによる面接でした。後述する通常の面接と比べてやや突っ込んだことを聞かれました。
詳細は長くなるので別記事でご紹介します。不合格でした。そのため一般入試に振り替えられました

8月ー試験当日 過去問演習Ⅱ

試験当日までに過去問を+1.5週しました。つまり過去問を試験日までに3周しました。これに加えて筆記試験1週間前から、専攻調査票で記入したことに基づいて面接対策を始めました。

筆記試験

2024/08/26日に筆記試験がありました。試験時間は150分ですが、確認なども含めて5時間ほどかかりました。Zoomで他の人の様子を見れるのですが皆さん疲労困憊でした(笑)。10人ごとにzoomルームに割り当てられ、複数人の先生方が我々を監視しています。普段ない試験形式なので場の雰囲気にのまれないようにご注意ください。個人的には電気系のオンライン試験方式はちょっとめんどくさいと思いました。

口述試験

指定された時間にzoomリンクにアクセスします。先生が5人以上いた気がします。一人が司会となり面接がすすみます。聞かれたことは事前に募集要項などに載っている通り、卒業研究の説明・志望動機・理由・志望する研究内容に関連した質問でした。特に志望する研究内容に関連した質問に関しては、筆記試験の勉強だけでは対応できないので個別に関連する知識を調べるといいと思います。

まとめ

私は周りよりスタートが大分遅れたと思いますが、何とか第一志望に合格できました。東大電気系は東工大等とくらべても受験科目がすくなく、コスパのよい試験形式になっていると思います。そのため、スタートがおそくなった方もあきらめずにがんばってほしいです。

また、大学入試と比べてEEISの入試は結構メンタルにきます。学部試験は出る範囲がある程度決まっていますが、大学院入試はきまっていません。作問者が少し本気をだせば我々のような浅い知識しかもっていない受験生はコテンパンにやられます。「ここがでたらどうしよう」「ここがでたらおわる」といったネガティブな気持ちにたびたびなると思います。そんな時は、手を動かし続けて不安な気持ちを押しのけるしかないとおもいます。

必ずしも長時間勉強し続ける必要はありません。集中して勉強する時間をきめてその間は無心で手を動かし続けるといいかと思います。


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