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竹屋流の甲手は「脱力を主体とした剣道」のための道具である

2023年1月号の「剣道日本」にて、竹屋流剣道具師として興味深い新連載が始まった。

タイトルは「脱力剣道の魅力 物理学者が解き明かす筋力に頼らない真の剣道」である。

そこで語られている剣道は「脱力を主体とした剣道」であり、それは日本伝来の剣道に近いのではないかと書かれている。かなり共感できる文章である。

なぜなら自分が教わってきた本来の剣道具は「身を守りながら、身体に負荷をかけない」を前提に作られてきたからである。

特に高野佐三郎先生と共に作り上げられてきた竹屋流の甲手は、いかに脱力して刃筋正しく竹刀が振れるかを考えられた構造になっている。それによって脱力剣道の基本が身につくと、刀法に近い「すりあげ」「切り落とし」が可能になるのである。

また記事の中で『「脱力を主体とした剣道」は「筋力・スピードに頼る剣道」とは科学的に相反する原理に基づいている』と書かれている。そして『不幸にして「筋力・スピードに頼る剣道」を最初に教わる場合が多いとも書かれている。

甲手も今主流となりつつある「オープンくの字形」は「筋力・スピードに頼る剣道」向きの道具である。原理が違うので「脱力を主体とした剣道」には向いてはいない、またそのような道具を使っていくと自然と「筋力とスピードに頼る剣道」になっていってしまう。

そして残念なことに「筋力・スピードに頼る剣道」にとっては原理が違うので竹屋流の甲手は使いにくい甲手となってしまう。

「脱力剣道の魅力」によって竹屋流の甲手が再評価されるかもしれない、また「今日の剣道は本来の剣道とはかけ離れて、いわゆるスポーツ剣道となってしまっている」という課題を解決するきっかけとなるかもしれない。あとは刃筋に対してどんな見解を与えてくれるかを楽しみにしている。

「日本伝来の剣道」の復活、大きな期待を持ってこの連載を楽しんでいこうと思う。

自分達が作っている竹屋流の甲手は

本来の剣道である「脱力を主体とした剣道」のための甲手であるから

*最後に自分が愛読している本の紹介を
「鉄山に訊け」脱力について考えさせられる
「フットボールネーション」身体の使い方を考えさせられるサッカーマンガ


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