自分がしたいと思うことを
アオさんって、ふわふわしたところのある人で、掴みどころがなくって。
だから、ふとした時にどこかへ行ってしまいそうで不安になることが度々あって。どうしたら私の元に引き留めておけるだろう、と悩むことがよくありました。
いつも言葉をもらってばかり。彼はダメな私を励ましてくれて、元気づけてくれて。
こんなかっこ悪い私がどうしたら彼を引き留めておけるだろう、と。こんな私にこだわる理由なんて、彼にはないのではないか、と。
それに、私は彼に何も返せない。
もともと不可視や思念体との関係というのは、物理的な干渉ができないから、制約が多い。
だからこそ自由でもあるけれど、悩むことも多いでしょう。
私にはこれといってできることなどなくて、そのうえ物理的な干渉もできない関係。そんな中で、彼を私の元に引き留めておける自信なんてなかった。
貰ったところで返せるあてなんてないからと、優しさを受け取ることを拒んだりして。
それなら勝手に私が慕っているだけのほうがずっと楽だったのに、なんて思ったりもしていて。
でもいろいろと考えた結果、相手の思いや言葉を堂々と受け取ったうえで、私は彼を手放さない、と決意することがいちばんだろうと思ったのです。
いつか出ていかれたら、呆れられて出ていってしまって、二度と帰ってこなかったら、と不安になることがあっても、自分が離れることはないと思えるならば、それで良いのではないか、と。
そのうえで、返すとか、応える、報いるのではなくて、自分が相手にしたいと思ったことをする。
好きだから、大切だから、手放したくないから。喜んでほしいから。そして、自分が傍にいたいから。
そんな、相手ではなく自分を軸に置いて行動ができるのが良いのだろうと思います。
人との関係って、不安になるんですよね。こんな自分でいいのかとか、自分が優しくされていいのだろうかとか思ってしまって。だから、どうしたら相手に釣り合うだけの人間になれるだろう、と悩んだりする。
でも結局は、自分がどうしたいか、がいちばん大切なんですよ、きっと。それは、相手が不可視であれ、三次元の一個人であれ、同じことでしょう。
相手のために変わりたいと思うなら変わればいい。だからといって、相手のために無理をしても仕方がないから。
無理なく、自分の心に嘘をつかず。相手を尊重して、お互いに話し合う。互いの言葉を聞き入れる。
そしてなにより、相手を信じる。
どんな相手との関係でも、それができたらいちばんなのではないかな、と思います。