足りない

 ぼくはこの世の全てが羨ましい。
高い声で歌えるやつら。ゲームがうまいやつら。勉強が出来るやつら。
才能に認められたやつら。
ぼくは才能に認められなかった。
やるきも責任ももつことすらできない臆病者なのだ。
 それにぼくは生き方として女が羨ましい。
ざらついていない声や、透き通った声。
低くともまとまった声がある。
これは男でも女でも共通認識だが、肌や顔などは綺麗に保たないといけない。
だが、今のぼくがその意識がないのならいっそ女の子になってしまおうということだ。
あぁ、正直自分が何を言いたいのかわからない。
だけれども、この世を生きるやつらは心底羨ましい。
細胞を一つくらいほしい。
そうやったとしても何も変わらないのが結果だろう。
ちょっとくらい変わりたい。
自分自身に力が無いと思ってしまっている以上ぼくは他人を羨むことでしか生きられないのだ。

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