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人生への疑問と指針を与える曲、22/7「神様だって決められない」【歌詞考察】(物語論的視点から)
22/7(ナナニジ)の「神様だって決められない」の歌詞は、登場人物となる「君」へ問いかけをし自分の意見をもって生きて行こうと訴えかけている曲となっている。
長文となるので、まず結論をあげておこう
「神様だって決められない」の歌詞は、登場人物「(私)」が「君」に対し、常識に甘んじ自分の意見や正解を見逃していないか?自分を信じてやっていこうと歌っている曲となっている。
曲の構図は、
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となっている。
2Bメロ・ブリッジは、自分の答えを、自分で見出すべきだと特に強調している歌詞となっており、「神様だって決められない」のターニングポイントとなる台詞が並び、強く訴えかけるものがある。
常識などに甘んじることなく、自分の意見をもって未来へと突き進もうという趣旨を強調した部分となっている。
「神様だって決められない」の歌詞にある趣旨はこれまでナナニジで披露された楽曲と繋がるものがある。
8thシングル「覚醒」、
11thシングル「僕は今夜、出て行く」、
13thシングル「YESとNOの間に」
14thシングル「ロックは死なない」
と同じように悩み・苦しみがあろとも自分で進むべき道へすすもうとなる趣旨が共通している。
はじめに、ミュージックビデオを載せ、その後に、物語論的視点から「神様だって決められない」歌詞考察、最後に、歌詞と歌割を載せていく。
物語論的視点からみた「神様だって決められない」
語り手
「神様だって決められない」の歌声が誰になるのかと言えば、歌詞の中にその存在が示されてはいない。
したがって、歌声=歌詞の中に想定できる「自分」からの言葉(歌詞・物語)と受けとることができる。(自分)から「君」へと語っているような歌詞となっている。
「神様だって決められない」の物語行為が行われている関係性は、
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との構図が想定できる。
Aに相当するのは、22/7(ナナニジ)であるが、聴き手の解釈によってその関係は変わってくると思う。
シンプルに歌詞を読み解くのであれば
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となるが、別の視点から考えれば、
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とも聴きとれ、受け手(聴き手)によっては
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ともなりうる曲となっている。
歌詞(歌声)は全てBからの言葉(歌詞)によるものであり、Cからの言葉(歌詞)はない。
歌詞からは、物語(歌詞)の中では、語り手(物語行為)は、一人称小説的と言える。
歌詞は、始めから終わりまで、語り手(Bは「 」(歌詞の中に主語が示されていないため、具体的な人物は分からないが、「私」と想定できるかもしれない))から「君」への語り言葉となっている。
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「神様だって決められない」の「叙法」
語り手は、歌詞(物語)にある「君」に対し、詳細に問い掛けを再現したものとなっている。
語り手はAメロ・Bメロでは、問い掛け・疑問を投げかけ、自分の意見をもたない「君」の間違えを指摘(否定)している。
サビでは、自分が信じて前へ進もうと趣旨の言葉が「君」へ
投げかけた歌詞となっている。
物語論に注目し、ジュネットの『物語のディスクール』の「叙法」から、「ロックは死なない」を考えてみると次のように考えられる。
ジュネットの「叙法」では、物語の法は次の2点に集約される。
①人は自分が物語る対象をより多く物語ることもより少なく物語ることもできる。
②その対象をあれやこれやの視点から物語ることができる。
①について「詳細に語る/語らない」ということであり、ナナニジの「神様だって決められない」の歌詞では、Aメロ・Bメロで「君」に対し問いかけと常識に甘んじてはいけないという間違えを指摘をし、サビで「君」に対し、力強いアドバイスとなる言葉が詳細に語られている歌声となっている。
つまり、「私」の気持ちや思いを詳細的に再現したものとなっていることからミメーシス性が高い歌詞となっている。
②については、歌詞そのものの語り手は「私」であり、その変化はない。先にあげたように、ナナニジメンバーの歌割により歌っているメンバーが移り変わっていることから「私」の気持ちを多数な視点から物語っているようにも受け取れる曲となっている。
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物語言説の時間、順序
「神様だって決められない」の歌詞の構成は、
頭サビ→
1Aメロ→1Bメロ→1サビ→
2Aメロ→2Bメロ→2サビ→
ブリッジ →大サビ
となっている。
物語(歌詞)では、歌詞の中に起こる出来事の順序と歌詞の順序が違ってくるものがある。
例えば、22/7「春雷の頃」は今君をを想う気持ちを歌う歌詞と、口づけを交わす過去を回想的に歌う歌詞が交互に歌うことによって、歌詞の順序は現在→過去→現在→過去・・・へと展開している。
「神様だって決められない」は、Aメロ・Bメロでは、問い掛け・疑問を投げかけ、自分の意見をもたない「君」の誤りを指摘(否定)している。
サビでは、自分を信じて前へ進もうと趣旨の言葉が「君」へ
投げかけるものであり、歌詞の出来事の展開は、物語内容の順序とほぼ同じものとなっている。
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反復法(頻度)
歌詞の中で起こる出来事を、同じ歌詞表現で繰り返すもの
反復法という。
「神様だって決められない」は1サビと大サビは同じ歌詞によって同じ出来事を歌った歌詞となっている。
1サビ(大サビ)
運命とは掴み取るもの 待っていたって(何も)
変わらない(変わらない)
一歩目を踏み出せ 神様だって決められない
さあどこへでも向かっていい
(自由ってそういうものだろ?)
とにかくやってみようよ
信じてれば何でもできるさ
Wow wow…
サビでは、自分で掴み取り、踏み出し、やってみようと叫び
「信じてれば何でもできるさ」との歌詞は、14thシングル「ロックは死なない」でも語られている歌詞となっている。
22/7の楽曲は1サビと大サビを同じ歌詞を繰り返し、
印象的なメッセージとなるように歌われている。
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パースペクティブ・焦点化
「神様だって決められない」は、歌・台詞が会話言葉により歌詞がつくり上げられている。
「神様だって決められない」の歌詞の構図は
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となる。そして、歌詞の展開は、
Aメロ・Bメロでは、B(語り手)からC(「君」)への問い掛け・疑問を投げかけ、自分の意見をもたない C(「君」)の間違えを指摘(否定)している。
サビでは、自分を信じて前へ進もうと趣旨の言葉がB(語り手)からC(「君」)へ投げかけた歌詞となっている。
「神様だって決められない」の展開による歌詞の主語は終始 B(語り手)となっていて、語り手の移り変わりはない曲となっている。
物語論的に見てみると、歌詞の会話言葉で構成されており、自由間接話法によるものになっている。
パースペクティブ、物語世界の情報を把握するために誰の視点を採用するか(あるいは採用しないか)ということを扱う領域となる。
「神様だって決められない」は、ある登場人物(つまりB(語り手))を「視点人物」として、その人物によって知覚された事柄のみが描かれる内的焦点化されたものとなっている。
ナナニジメンバーによって歌詞が歌割されており、多数視点から言葉のようにも聴きとれることから、内的多元焦点化された歌声となっている。
また、サビの部分はユニゾンによる歌声となり、内的固定焦点化された歌声となっている。
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歌詞にあるキーワード
ここで、改めて、「神様だって決められない」の構図をあげてみると
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となっている。
さて、人称代名詞で出てくる言葉には
a:神様、他人(ひと)、誰、誰か
b:自分、君、君たち、みんな
の二パターンに分けられる。
aが社会や一般常識、他人、大人につながる言葉となり、
bが(C「君」)を指す言葉なり、
ナナニジによくみられる二項対立した構成となっている。
主語にあたる言葉には、
c:道、真実は、空が、夢には、運命とは、
d:色が、正解は、言葉は、意見が、答えは、何も
がある。
「君」が進むべき道筋や自分の生き方(c)と
その答えをもとめた言葉(d)となっている。
述語にあたる言葉には、
e:決められない わからない 何色だ 思う 考えたりはしない 変わらない
f:進めばいいか?、知っているかい?、見上げてみてごらん、言えるか? どう応える?、踏み出せ、向かっていい、やってみよう、ついてるかい、覚えていないっていうだろう、醒めてしまった忘れてしまう、大切だと思う、どうしたい?
g:聞くな、見極めるんだ、考える、答えてしまうだろう 掴み取るもの、信じてれば何でもできるさ、どうしたいのか、決めろ!、踏ん張らなきゃだめだ
などがある。
C「君」が
どのように生きればいいのか、わからない、
答えが見当たらないとする言葉(e)、
「君」に対し疑問を投げかけた言葉(f)、
そして進むべき行為を叫んだ言葉(g)
となっている。
このことから、「神様だって決められない」の構図は、
世間・社会の常識に甘んじることなく、
自分が真実や意見・答えを掴み取り、考えることを求めるものとなる。
ナナニジの歌声(A)=(B)からは「君」(C)に対し、
答えが分かっていない自分に疑問を投げかけ、
進むべき道筋を伝えたものとなっている。
「神様だって決められない」の曲名や歌詞に出てくる
「神様」は、他人から答えは教えてもらえない、「神様」ですらその正解は示されないことを印象的に強調する言葉として選ばれたキーワードとなっていると思う。
歌詞の中では、あまりに飛躍した言葉となっているようにも感じるが、世間・社会の常識を超えた象徴的に扱った言葉に「神様」を使用されたのだろう。
また、「神様だって決められない」では
一般常識に甘んじることなく、
自分の答えは、自分で別の答えを見出せるべきだと歌っている。
「空が何色か知っているかい 考える間もなく
青だろうって 君たちは いつだって
当たり前のように 答えてしまうだろう」
「青だって 言えるか?
自分で 確かめなきゃ わからない
真実は 何色だ?」
また、ナナニジの楽曲には、A or B と2つの答えからどちらかと問い掛けながら、自分の答えは、自分で別の答えを見出すべきだと歌っている曲が多い。
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「神様だって決められない」で、それにあたる歌詞になるのが、
「みんなそうだって言うから
きっとそうなんだって思う」
A or B どっち?
「じゃあ 自分は どうか?とは
誰も 考えたりはしない」
YES or NO 正解は一つじゃない
どう応える?
この部分にあたる。
また、自分が正解を見出せてなくてもそれでよい、間違えてもよいとの言葉もナナニジの歌でよく聞く言葉になっている。
間違ってていいんだよ
何度だってやり直せる
「神様だって決められない」の台詞は、曲の趣旨を強く印象付けるターニングポイントとなっている。
2Bメロ
「自分はこうしたいっていう 意思って大切だと思う」
(西條和)
「協調性って言葉は お互いの意見があってこそだ」
(宮瀬玲奈)
ブリッジ
神様よりも
「君は君の声を聞け」
(白沢かなえ)
答えはいつも
「君の心の片隅に存在するんだ」
(河瀬詩)
「誰かを当てにするんではなく
自分の力を信じることだ」
(天城サリー)
自分の答えは、自分で別の答えを見出せるべきだと特に強調している歌詞が並ぶのは、2Bメロとブリッジに並ぶ台詞が、強く訴えかけるものとなっている。
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プロップにおける「登場人物の三十一の機能」
プロップにおける「登場人物の三十一の機能」に注目し、
「神様だって決められない」をみてみると
F.Ⅳ:問いかけー情報の要求
F.Ⅻ:試練にかけられる主人公
F.ⅩⅢ:試練との対決。
F.ⅩⅩⅡ:救出ー救われる主人公
F.ⅩⅩⅤ:主人公に難題が与えられる
F.ⅩⅩⅥ:難題の遂行。
F.ⅩⅩⅨ:主人公の変身ー開示。
の7つの機能によって構成された構図となっている。
「神様だって決められない」の構図は、
頭サビ
F.ⅩⅩⅤ→F.ⅩⅩⅥ
1Aメロ→1Bメロ
F.Ⅳ→F.ⅩⅩⅤ→F.Ⅻ→F.ⅩⅩⅥ→F.Ⅳ
1サビ
F.ⅩⅩⅤ→F.ⅩⅩⅥ→F.ⅩⅩⅡ
2Aメロ→2Bメロ
F.Ⅳ→F.Ⅻ
2サビ
F.ⅩⅩⅤ→F.ⅩⅩⅥ
ブリッジ
F.ⅩⅩⅡ→F.ⅩⅩⅤ→F.ⅩⅩⅥ→F.ⅩⅩⅨ
大サビ
F.ⅩⅩⅤ→F.ⅩⅩⅥ→F.ⅩⅩⅡ
との展開が見られる歌となっている。全体的な歌詞の流れをとらえれば、
F.Ⅳ:問いかけー情報の要求
F.Ⅻ:試練にかけられる主人公
F.ⅩⅢ:試練との対決。
F.ⅩⅩⅡ:救出ー救われる主人公
F.ⅩⅩⅤ:主人公に難題が与えられる
F.ⅩⅩⅥ:難題の遂行。
F.ⅩⅩⅨ:主人公の変身ー開示。
F.ⅩⅩⅥ:難題の遂行。
とつくられた構造となった曲となっている。
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歌詞・歌割
頭サビ
神様だって決められない
どっちの道 進めばいいか?
そんな大事なことを他人(ひと)に聞くな
自分のその目で見極めるんだ
Wow wow…
1Aメロー1
空が何色か 知っているかい?
考える間もなく青だろうって
(麻丘・椎名)
君たちはいつだって当たり前のように
答えてしまうだろう
(雨夜・望月)
1Aメロー2
だけど、ちゃんと見上げてみてごらん
ホントにあれを
青だって言えるか?
(宮瀬・河瀬)
自分で確かめなきゃ
わからない
真実は何色だ?
(白沢・西條)
1Bメロ
「みんなそうだって言うから
きっとそうなんだって思う」
(椎名桜月)
A or B どっち?
(清井・月城)
「じゃあ自分はどうか?とは
誰も考えたりはしない」
(麻丘真央)
YES or NO 正解は一つじゃない
(天城・涼花)
どう応える?
(相川・四条)
1サビ
神様だって決められない
運命とは 掴み取るもの
待っていたって(何も)
変わらない(変わらない)
一歩目を 踏み出せ
神様だって決められない
さあどこへでも 向かっていい
(自由ってそういうものだろ?)
とにかくやってみよう
信じてれば 何でもできるさ
Wow wow…
2Aメロ
夢には色がついているかい?
(白沢・西條)
きっと覚えていないって言うだろう
(清井・月城)
醒めてしまったら忘れてしまう
(天城・涼花)
現実なんてそんなものだ
(相川・四条)
2Bメロ
「自分はこうしたいっていう
意思って大切だと思う」(西條和)
ホントはどうしたい?
(麻丘・椎名)
「協調性って言葉は
お互いの意見があってこそだ」(宮瀬玲奈)
誰かと ただ合わせるだけじゃない
(雨夜・望月)
はっきり言おう
(宮瀬・河瀬)
2サビ
どうしたいのか
すぐに決めろ!
風の向きに流されちゃったら
大地に足を(もっと)
しっかり(しっかり)
踏ん張らなきゃだめだ
どうしたいのか すぐに決めろ!
天気次第で揺れ動くこと
(求めているものは何か)
間違ってていいんだよ
何度だってやり直せる
ブリッジ
でも会ったことはないって
みんな疑問を持つけど
確かにいるよ
周りを見渡したって
見つからない
君は気づいていたはずさ
神様よりも
「君は君の声を聞け」(白沢かなえ)
答えはいつも
「君の心の片隅に存在するんだ」(河瀬詩)
「誰かを当てにするんではなく
自分の力を信じることだ」(天城サリー)
生きるってそういうことだろう
もう迷わなくていい
大サビ
神様だって決められない
運命とは掴み取るもの
待っていたって(何も)
変わらない(変わらない)
一歩目を踏み出せ
神様だって決められない
さあどこへでも向かっていい
(自由ってそういうものだろ?)
とにかくやってみようよ
信じてれば何でもできるさ
Wow wow…
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おわりに
22/7(ナナニジ)の「神様だって決められない」の歌詞は、登場人物となる「君」へ問いかけをし自分の意見をもって生きて行こうと訴えかけている曲となっている。
「神様だって決められない」の歌詞は、登場人物「(私)」が「君」に対し、常識に甘んじ自分の意見や正解を見逃していないか?自分を信じてやっていこうと歌っている曲となっている。
2Bメロ・ブリッジは、自分の答えを、自分で見出すべきだと特に強調している歌詞となっており、「神様だって決められない」のターニングポイントとなる台詞が並び、強く訴えかけるものがある。
常識などに甘んじることなく、自分の意見をもって未来へと突き進もうという趣旨を強調した部分となっている。
「神様だって決められない」の歌詞にある趣旨はこれまでナナニジで披露された楽曲と繋がるものがある。
8thシングル「覚醒」、
11thシングル「僕は今夜、出て行く」、
13thシングル「YESとNOの間に」
14thシングル「ロックは死なない」
と同じように悩み・苦しみがあろとも自分で進むべき道へすすもうとなる趣旨が共通している。