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音楽の聴くために集めた【本の紹介】、物語論による世界観の再定義
楽曲の歌詞考察は数多くの人が行っているがその方法は言葉や文章の意味論に基づいているものが数多い。私は、形式的な構造に注目し、楽曲の言葉と文章によって構成される構造を物語論的視点から再定義し、その世界観を読み解く歌詞考察を目指している。
楽曲考察・歌詞考察
「歌詞考察」、多くの方々による楽曲の歌詞考察は、
歌詞の中にある言葉や文章の意味合いを
(主観的視点から)文学的に読み解く。
推測されうるアーティストのバックグラウンド、
歌詞から求められる時代・社会背景を
読み解き
楽曲の歌詞が描かれる世界観を
再定義されているものが多いと思う。
このような方法による
「歌詞考察」は楽曲が表す
新たな世界観を見出すことができる
魅力的なものとなっていると思う。
ただ、
歌詞や言葉、
文章が表しているバックグランドを読み解くことは、
私にはちょっと難しい。
語彙力もないし、
哲学、心理学、国語力も長けているわけではない。
アーティストが描いている世界については
情報を持っていないため
良くわからないためである。
物語論による歌詞考察
そこで、自分は全く違った方法で、
歌詞考察を試すことにした。
言葉や文章の意味合いを求め
その背景となる世界を再定義する方法はもちいらず、
文法的な構造によって、
描かれている世界像を
読み解く方法を使っている。
そこで、参考にしたものが、
物語論・詩学となる。
特に、物語論の理論は常に注目している。
物語論による歌詞考察は、
言葉の意味論によるものではなく、
歌詞によってつくられる構造を
読み解き、
その関係性から描かれる
世界観を再定義している。
参考としている書籍
最近、手元においている本はこちら。
1.アリストテレス「詩学」
2.ジャン=ミシェル・アダン「物語論ープロップからエーコまでー」
3.橋本陽介「物語論 基礎と応用」
4.橋本陽介「ナラトロジー入門」
5.福沢将樹「ナラトロジーの言語学」
6.丸山圭三郎「ソシュールの思想」
7.ロラン・バルト「物語の構造分析」
8.ジェラード・プリンス「物語論の位相」
9.甲田直美「物語の言語学」
10.伊藤雅光「Jポップの日本語研究 創作型人工知能のために」
11.E・シュタイガ―「詩学の根本概念」
12.山口翼「日本語大シソーラス」
13.ジェラール・ジュネット「物語のディスクール」
楽曲と物語論
物語論の理論は、
研究者によってずれがあって
難しいのだけれど、
現在はジェラール・ジュネットによる
「物語論」の理論を基本としている。
参考としている文献は、
ジュネットやロラン・バルトの理論が
分かりやすくまとめられている
橋本陽介氏の書籍を使っている。
楽曲の歌詞を、
物語論の対象となっている文献は
実際、見当たらない。
しかし、楽曲の歌詞は詩的であり、
楽曲の中に描かれるストーリー(物語)が存在する。
したがって、
物語論の理論を用いて歌詞考察を行うことに
問題はないと思う。
私の歌詞考察では
意味論でその世界観を求めていない。
形式的な構造に注目し、
歌詞を構成している構造を読み解き、
そこから導きだされる世界観を
再定義する歌詞考察を目指している。
その方法で試行した
歌詞考察が以下のnoteになります。
22/7(ナナニジ)の楽曲を
歌詞考察したものとなります。