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「占いと、過去と未来と現在と」
本から受け取ったインスピレーションで800字で書き綴る「リブリオエッセイ」。今回のエッセイはこちら↓
「占いと、過去と未来と現在と」
20歳の頃、札幌のデパートで何を思ったか手相を占ってみてもらったことがある。そこで言われたのが「あなたは色の黒い痩せた人と20代で結婚します」と。結婚願望のなかった私は「へぇ~」と自分の手を見た。
実のところ、色の黒い人というのは果たしてどの程度の黒さなの?痩せているなら運動苦手な私には縁はなさそうだけどアスリート?と頭の中で考えた。そんなわけで未来の結婚相手の肌の色と体型だけが記憶に残る占い初体験。もっとも仕事に明け暮れ、色の黒い人の存在に気づくこともなく、あっという間に20代が過ぎ去った。
その占いから10年以上たち30代も半ばとなった頃、色彩心理を学ぶ中で教材のひとつ、タロットカードに興味を持った私。せっかくなら一度は本格的に占ってもらおうと、ネットで調べたところに行ってみた。その当時、仕事に悩み、人生もどん詰まり感があったので何かのきっかけになるかもしれないと思ったのだ。
その時の占いで言われた言葉も衝撃的ではあったが、引いた一枚が
「死神」のカードだった。「うゎ~出た~!?」と、思わず声も出た。
「そんなに悪いカードじゃありませんよ」と占い師に言われたものの、なにせ骸骨が鎌を持って、人生終わった感たっぷりの絵だ。「何か」がリセットされ人生が変わるかもしれない…という意味合いを持つカード。いったい私の未来に何が起こるのだろう?懲りない私は、別のところでもタロットカードを引いてみたのだが、またもや「死神」のカードを引いてしまった。そもそも、こんなに頻繁に出るカードなのか?ありえない。
…とはいえ、この後、私は本当に人生をやり直すような転機を迎えることになる。結婚し仕事を辞め、引っ越したことで、関わる人や生活環境も全て変わったのだ。自分の手相も変わったからかどうか…結婚相手はとても色白でぽっちゃりした会社員だった。ともかく「今、ここ」が幸せなら過去の占いの結果はどうでもいいよね。
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ちなみに向かって一番右はマルセイユ版、右から二番目がウェイト版で
世界で主流のタロットカードです。
☆
J.Discoverさんが運営されているエッセイ塾「ふみサロ」の1月の課題図書は「嫌われる勇気」自己啓発の源流「アドラー」の教え
岸見一郎 古賀史健 著
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ちなみに、読書感想文はこちら↓
実は、このエッセイはリライト、つまり塾長の城村先生のご指導いただき、書き直したものです。書き直す前のはこちら↓
前半部分を削除し、後半には追加修正をしてみました。
読み比べてみてはいかがでしょう。