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映画の夢を見る

 こんな話をしても”夢の話なんてね"の一言で終わるようで口にすることはありませんでした。話したところでだから何?的なリアクションしか想像出来ないし、自分の中にとどめているうちに忘れていたことです。


いつから始まっていたかは忘れたけれど、自分の夢の中に見たことのない情景が登場しました。知らない風景、場面、感情…とてもリアルで印象に残るものでしばらく記憶していると、その数日後から数か月後、自分がはじめて観る映画でその場面に出会うという妙な追体験です。

以前観た映画で忘れてるのでは?と言う質問には、何度も検証したのであり得ません。公開された日時も含めて初見です。例えば映画のコマーシャルでたまたま目にして記憶していたのでは?とも考えましたが、夢の情景はそのたぐいでもないのです。印象に残りにくい場面だったり。

ああ映画の場面だったのか…と、それが何度も繰り返されていくうちに日常となって、次はこんな映画を観るのかと期待するようになり。
時にホラーだったり、殺人の場面だったりすると映画の先行上映だから大丈夫と安心材料にして都合の良いように自己完結するようになりました。笑

といっても、これを読んでる方は???ですよね。なんの証拠もないのですから。

夢の中での先行上映は、ほんとに一場面を切り取ったような内容で、不思議なのは自分が登場人物かのように映画の中に入り込んでいます。うまく表現できないのですが、意識だけがスクリーンに存在するみたいな。
そして、答え合わせ後理解するのは、それらは全部”良い映画”だと言う事。感動や衝撃、心を揺さぶられるものばかりで駄作は皆無です。
あくまでも自分の感想ですが。

なんとなく繰り返されていたその日常が、はっきり特別なものと確信した映画が「バンデッドQ」です。

テリー・ギリアム監督の1981年制作のファンタジー映画で不思議で不気味で最高に面白いイギリス映画の名作です。

バンデッドQ


宇宙から吸い寄せられるように地球へ国へ街へ一軒の家へと視点が落ちていく場面を夢で見た時、けして日常で経験することが不可能なその視点は映画しかないと思い、それからしばらくして、テレビでその映画のオープニングシーンを観た時にこれだったのか!と確信したのです。淀川さんが全てのファンタジー映画の原点だと大絶賛してました。その当時ネバーエンディングストーリーが評判だったかなと。

主題歌はジョージ・ハリソン、耳に残る、映画にピッタリな音楽です。
鬼才テリー・ギリアムの創造がいっぱい詰まったすばらしい映画です。

今ではドローンやCGなど映像技術がたくさんあるけれど、40年以上前のこの映画の映像は本当に映画の楽しさを教えてくれたものでした。

その後もこの「映画の夢を見る」特殊能力は続きました。そのくらい映画付けの生活だったとも言えます。
例えば豪雨の薄暗い街の坂道を必死で逃げる夢、土砂降りの雨が川のように流れ落ちていく→"パラサイト"とか…

最近は夢を見ること事態無くなってしまいました。名作映画の予知能力が薄れてきたのか…夢を忘れているのか…

だとしても予知夢を見る能力、それが人生を変えるほどのメリットのある事なら自慢もできそうなものの。ただ映画の先行上映を観る限定とはなんとも私らしいと言うか…

それでも忘れた頃にリアルではっとする夢を見ることがあります。NEXT作品に出会える映画の旅はまだまだつづいているようです。


※この記事は筆者の実体験に基づくもので夢オチフィクションでは決してありません…


#映画にまつわる思い出


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