【掛け合い台本3人用】バンジージャンプを飛ぶ話
キャラ
A:自殺願望がある
B:バンジージャンプショップの店員。おっちょこちょいでお調子者
C:バンジージャンプショップの店長。過去に色々抱えてる
A:ねぇ、ゴムなしで飛んでも良いかな?同意書も書いたし、別に問題ないでしょ?
B:えっ…え?ゴムなし?…まぁ…確かに書いてはありますけど…こんなこと初めてで、ちょっと緊張しますねぇ。
A:え?まぁ、そうだよね。
B:うん。でも、覚悟はできたんですよね?ゴムなしで、ね?
A:はい。
B:じゃあ、私が背中押しても良いですか?
A:いいんですか?
B:もちろん!私で良ければぜひ。ね?店長!
C:だめに決まってるだろ!!!ちょっと、何の話してるんだ?
A/B:えっ?
C:何でぽかーんとしてるんだよ!ここは何のお店だ?!
B:ここは、18歳以上の大人が同意書を書いてゴムをつけて—
C:長い!しかもなんか変!!もっと簡潔にしろ!
B:えぇ…260mの高さからバンジージャンプするお店です。
C:そうだ!で?君はこの人に何をしようとしたんだ?
B:この人の願いを叶えようとしただけですよ?
C:いや、君がしようとしたのは”願いを叶える”んじゃなくて、死後の世界に落とすことだろうが!
B:店長、それちょっと言い過ぎじゃないですか?
C:うるさい!
A:あの…この人、あんまり怒らないであげてください。
C:あ?あぁ…すみませんお客様。後でしっかり教育しますから…ほら、お前も頭下げろ!
B:うわぁ、すみません。って、いつまで頭押さえるんですか!痛いってば!
A:いや、そこは静かにしてた方が…
B:今日せっかく髪セットしたのに…店長のせいでぐちゃぐちゃだよ…
C:なんだと?
B:すみません…。
C:お客様、ここは自殺する場所じゃありません。生きる覚悟がある人がゴムを付けて飛ぶところです。
A:わかりました。
C:それができないなら、帰ってください。
A:…はい。
B:ところで、何でゴムなしで飛びたいって思ったんですか?
A:え…それは…
C:おい、バカ!何聞いてんだよ。プライベートなことだろ?お客様、無理して話さなくていいですからね。
B:店長、ちょっとうるさい。
C:はぁ?
A:最近…彼女に裏切られたんです。友達に寝取られて…。
B:ああ…それは辛いですね。
C:それは、かなりこたえますね…。
A:何がわかるんですか!?僕の気持ちなんて…!
B:そうですよ!店長、適当に言わないでください。この人、相当傷ついてるんですから。
A:うっ…
C:お前、今この人にとどめ刺したな。
B:店長が余計なこと言うからでしょ?
C:…まぁ、実は俺も似たような経験があるんだよ。
B:え?どういうことですか?
A:………
C:昔、彼女を友達に紹介したら寝取られてさ…。
B:えっ?
C:二人目の彼女は家族にだけ紹介したんだ。でも結局、弟に取られた。
A:え?
C:最終的には…父さんにもバレてさ…それ以来、誰も信じられなくなったんだ。
B:そんなことが…店長にも…。
C:だから、このバンジージャンプショップを始めたんだ。自分を試すためにね。
B:店長ー綺麗にまとめた感ありますけど始めた理由意味不明なんですけどー?
A:…なんか、自分だけが不幸だと思ってましたけど、そうでもないんですね。
B:え?気にならないんだ…
C:そうだ。みんな、それぞれ色々抱えてる。けど、俺たちこうして生きてるんだ。
B:でもまぁ、店長、意外と深いこと言うじゃないですか!
C:黙れ。
A:…少し、気が楽になった気がします。
C:そうか。それなら、飛ぶ気になった?
A:えっと…はい、飛んでみます。飛んで、気持ちをリセットしてみたいです。
C:いい考えだ。過去を振り払って、新しい自分になってみよう。さぁ、同意書にサインをしてくれ。
A:はい。分かりました。
B:店長、やっぱりすごいですね!
A:書き終わりました。どうぞ。
C:はい、確かに受け取りました。じゃあ、安全装置の準備を頼む。
B:了解です!
A:僕はどうすれば…
B:こちらへどうぞ、お客様。
A:はい。
C:…まぁ、言えないよな。一日一回飛んでさ自分専用のゴムが切れるのを待ってるなんてさ…。
C:あ、いらっしゃいませ!こちらの席へどうぞ。
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