言い方ひとつで…
みなさんこんにちは!歯科医師Hachiです!
いきなりですが、コップに半分お水が入っているのを想像してみてください。
これに対して、
「水がもう半分しか残ってない」と言われるのと、
「水がまだ半分も残ってる」と言われるのでは、
全然イメージが変わってきますよね?
28歳の誕生日を迎えた人が、
「もうアラサーだね」と言われるのと、
「もうすっかり大人の女性だね」と言われるのでは、
受ける印象が変わってきます。
このように、言い方ひとつで人に与える印象って大きく変わってきます。
今日はそんなお話です。
僕ら歯科医師は、歯の汚れを取ったり歯石を取ることを総称して、「歯のお掃除」と言ってしまいがちです。
これって、言ってることは間違ってないんですけど、「お掃除」と言ってしまうと、その重要性が軽んじて伝わってしまいます。
お掃除って言われると、自分の部屋もそうですけど、別に緊急性が高いわけではないし、いよいよ困った時にまとめてやったらいいやって思いませんか?
でも実際は歯の汚れを取ったり、歯石を取ることはれっきとした「歯の治療」なんです。
歯石を取らずに放置していると、知らぬ間に歯周病が進行してしまいます。
あとからまとめてキレイにしても、歯周病はどんどん進行してしまいます。
なので、そうなる前に継続的にメンテナンスはするべきなんです。
これを僕らが「歯のお掃除」と表現するから、患者さんもその意味や重要性をいま一つ理解できないまま、人によってはメンテナンスに通わなくなってしまいます。
これは患者さんに限った話ではありません。
歯のメンテナンスを担当するのは、主に歯科衛生士という職種なのですが、「お掃除」と言っていると、歯科衛生士にとっても、「私は単なるお掃除マシーン」と思われてしまい、モチベーションが下がってしまいます。
せっかく重要性の高い処置をしているのに、言い方ひとつでモチベーションを下げてしまっては、元も子もありません。
なので、僕は「歯の感染物を除去する治療」をします。
と、言うようにしてます。
歯の汚れや歯石には細菌が付着していて、それが歯周病の原因になります。
歯周病は感染症なんです。
ポイントは、「治療」という言葉を入れるようにしてます。
それだけでも重要性が高まったように感じませんか?
「お掃除」と言われるよりかは、「感染物を除去する治療」と言われた方が、重要だと患者さんも思われるでしょうし、
歯科衛生士さんたちも、治療をしているという意識が芽生えて、より責任感を持って処置にあたってくれるはずです。
ささいなことかもしれませんが、非常に大切なことだと考えます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願いします!
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