【落とし穴】オーシャンビューの末期患者
「友人女性(65)がピンチだから助けてくれ」
とある経営者の頼みで、湘南に向かいました。
焦燥し切った女性
聞けば夫が借金7000万ほどを残して急死したとのこと。
唯一の資産だったマイホーム(マンション1室)も銀行の抵当が入り、差し押さえ間近でした。
オーシャンビューが望めるその1室は、
まさに海辺を堪能できる最高の物件です。
「こんな物件、競売になったら買い手が殺到だろうな...」
新オーナーが来ても、賃貸で住み続けたいという彼女。
リースバックも検討しましたが、債権者との合意形成は失敗に。
そもそも年金生活の彼女に、家賃の支払い能力などないからです。
「このまま競売を待ち、新しい買い手との交渉を検討しましょう…」
末期状態の彼女に伝えられる処方箋は「消極的な撤退」しかありませんでした。
差押後に、「居座る」というのは法的に可能な行為です。
新しい買い手も強制退去の手続きに時間を要します。
差押から競売まで6ヶ月、その後の居座りで3〜6ヶ月でバイトなどで生活資金を貯め、新天地での準備をする。
決して誉められた話ではありませんが、余裕のない彼女にはそんな利己的な判断すら必要な状況でした。
納得をした彼女も目には涙。
もっと早くに相談してくれれば…
美しかったオーシャンビューも、帰り際には切なげに映りました。