誉め殺し作戦
相談者の40代社長
銀行の支払いを止め、督促を受けていました。
銀行による「自宅への訪問」があった時のことです。
玄関口でかなり攻められたようで、社長は手元にあった現金18万を
その銀行マンにその場で手渡ししてしまいました。
こんな事例は過去にも聞いたことがありません。
銀行マンは名刺を出しただけで、実際にその銀行で働いてる行員かも不明なわけですから、下手すると「詐欺師」かもしれない。
債権者の訪問では
・免許証の写し
・住民票の写し
・債権回収業者としての法務大臣の許可認定証の写し
・債権回収業者の法人の履歴事故全部証明書の写し
全部用意しないと訪問時に債権者であることを立証できない。
なので銀行側も「銀行に来て返済ください」と言って店舗で処理するのが一般的な訪問での手続きです。
支払ってしまう社長の判断も微妙ですが、行き過ぎた正義感からその場で徴収してしまった銀行マンもミスを犯したのです。
一連の出来事を見ていた小学生の息子はノイローゼとなってしまったようで、相談者も「もう訪問だけは止めさせたい」と困り顔…
担当にクレームしても「文句を言える立場なのか?」と一蹴されるのがオチでしょう。そこで銀行の頭取宛てにあえて「誉め殺しのご報告」という書面をしたためました。
〇〇銀行 頭取へ
大変熱意のある〇〇氏の行為により、ついその場で現金を支払ってしまいました! 素晴らしい社員をお持ちだ! 彼の行為は越権行為ではあるものの、彼のような有望な若手がこれからの銀行を良くして行くのだからどうかクビにしないで欲しい! 我々も彼のような存在を世に広めて行きたいのでマスコミにも今後喧伝してゆくよ!
この手紙以降、手紙も電話も訪問も全て督促は無くなりました。
その昔、政治家の竹下登は「右翼による誉め殺し」で失脚した経緯があります
しばらくして社長は銀行に連絡をしました。
あの行員はその支店にはいなかったそうです。
左遷で済んだならいいのですが…
有望だっただけに悔やまれます…