ウェアー三種の神器

ウェアーは命を守る大切なもの

下着
トレッキングや登山だけではなく、下着はとても重要だ。
選ぶポイントは、「速乾性」であること。何故なら、汗で濡れる、雨に濡れる、そのような後は、ぬれた部分が乾かず、身体を冷やしてしまうから。
気持ちが悪いというだけではなく、濡れたまま寒い条件にいると、低体温症になる要因になってしまう。
洋品店でもいいが、登山用品店で購入することをお勧めする。少し値段が高いが、命には代えられない。
☛モンベル・ジオライン

中間着・行動着
下着の上には、保温性が良く、あまりかさ張らないものが適している。
個人的には、チャックで前が開けることができ、温度調整ができるものを選んでいる。
☛ミドル・レイヤー

アウター（風除け、雨除け、防寒）

季節にもよるが、夏でも雨具と風除けが兼用であれば、荷物も減る。雨具でも結構風を防いでくれる。雨具は上下セパレートタイプがお勧め。できればゴアテックス。（防水性・透湿性、そして軽量性がある）
☛レインウェアー（ゴアテックス製）

要注意な季節と天候

春
まだ冬山、暑い夏山が共存する季節。登る山などにもよるが、残雪があると、寒い。天候によっては冬なみになることもしばしば。残雪で日に焼けるのもこの季節。
夏
夏でも油断すると怖い。まず、汗をいっぱいかく。熱中症や脱水症も気を付けなければならない。下着が濡れる。雨や風があると、体温低下につながる。着たり脱いだりこまめな温度調節を。
秋
遭難が多い季節。晴れていれば爽やかな風が心地いい。だが、低気圧が近づいてきて、強風が吹くときもあり、雪や霙《みぞれ》などが降ると一変する。吹雪いたら冬と同じ。三種の神器と防寒用の帽子、手袋、靴などは用意する。また、引き返す勇気も必要だ。
冬
経験がなければ入らないこと。ラッセル（雪をかき分けて進むこと）は、想像以上に体力を奪う。ピッケルなどの道具も、使い方を訓練しなければ凶器になる。事実、冬山初心者がピッケル・アイゼンを購入し、冬山に入って、滑落。滑落中に腹を強打してしまい、3日後内出血でなくなってしまったという事故があった。
冬は、他の季節と違い、装備も重くなり、かさ張る。体力、気力、洞察力が必要だ。

この三種の神器（下着、中間着、アウター）は、山だけに限ったことではない。普段の生活でも、薄着なんだけど、暖かい。有事に遭った時なども、きっと役に立つ。
「備えあれば患《うれ》いなし」だが、こころの備えも必要だ。