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湖沼のある風景(裏磐梯・秋元湖)
裏磐梯にある湖で2番目に大きな面積を持っている秋元湖。「秋元湖展望台」からは小島が点在し、奥に安達太良山を望む撮影に適したところです。堰堤の様な展望台は、駐車場から歩いてすぐなので、カメラマンも多く訪れるところです。
直ぐ近くに住んでいれば、天候を見ながら撮影に行けるのですが、遠いとそうもいきません。ですので、与えられた状況での撮影となりますが、そこは、逆境を跳ね除けるため、その時の条件でなければ撮れないものを狙うことにします。
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この日、太陽は私を一瞥《いちべつ》したかのように「ちらっと」光だけ射し、後は雲の多い曇天になってしまいました。
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「曇天なら、曇天らしい風景を撮ろう!」と決め、撮影したのがこの写真です。小島の真ん中、鋸《のこぎり》で途中まで切ったような形状、これが特徴です。
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パノラマにすると、広がりを表現することができます。また、暗部はできる限り潰《つぶ》さないようにしています。
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安達太良山中腹から見た「秋元湖」です。その奥に桧原湖が見えます。
「裏磐梯」は、桧原村の集落が点在していましたが、磐梯山の爆発や泥流により全滅してしましました。
その際、堰き止められてできたのが五色沼や桧原湖、小野川湖、そして秋元湖です。
秋元湖の水は、大倉川や中津川などから集められ、長瀬川となって下り猪苗代湖に注がれています。その後、日橋川を下って、阿賀川に合流し、新潟県から阿賀野川と名前を変え、日本海に注がれています。
私たちは、空気や水がなくては生きていけません。その水が織りなす情景や風景は、時に美しく輝きを放ちます。その一瞬に出逢えるのが写真家の楽しみです。