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秋の終演

ある時、沢の写真を撮るために出かけました。
ところが、道の崩壊により遊歩道が通行止めになっていました。

「いやー。せっかく来たのだから…」と、普段絵にならないところへ行ってみることにしました。
道はなし、灌木(かんぼく)が生い茂っており、絵になりそうなところでも邪魔をしてしまう。それでも、なんとか見つけ出したのが今回の写真。むしろ、力量が問われるかも。

季節は、秋の終わり、もう艶やかな紅葉の舞は終わりかけ、僅(わず)かな残り香と、葉のなくなった細い枝があわらになっていました。それでも、「秋の終演」にふさわしい絵がきっとある筈(はず)と探しました。

いつも今までの人生と照らし合わせる自分がいます。
良いときばかりではない、逆境こそチャンスだと。

緑葉

周りは紅葉し、散っているのに、緑色を放つ葉がありました。

残葉

暗い森の中、惜しむように葉がこちらを覗いていました。

枝の叫び

もうすっかり葉を落とした木の枝、何か残り少ない秋の青空に精一杯手を伸ばしているように見えました。

ガウス効果の表現

「ガウスぼかし効果」とは、レタッチ(画像編集)において、「ぼかし」を加えることですが、この写真では、部分的にシャープな部分とぼかしを加えた部分に分け、作者の意図した効果を狙ったものです。
木の表皮と根、枝以外は「ぼかし(ガウス)」を加えることによってメリハリを付けています。

「ガウスぼかし効果」を使って

「ガウスぼかし効果」を使って、今回の撮影場所のように、邪魔をする灌木や枝などを効果的に見えないようにすることができます。と同時に、主役を引き立てることができます。
上の写真の場合、主役として画面構成した部分をシャープにし、それ以外を「ガウス効果」でぼかしています。
空の部分を少し入れていますが、ここにどうしても枝が入ってしまいました。それらの部分はぼかし、それの部分に入った枝は、「削除ツール」で消しています。

晩秋から冬へ

彩り鮮やかな秋の演出、いったん幕は閉じ、冬の寒さに耐え、若葉が萌える爽やか春を待つことにします。


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