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早立ち早着の意味

リスクを最小限にする知恵

「山歩き」では、早立ち早着が原則になっています。
その意味は、

  1. 早めに行動し、目的の場所(山小屋や下山など)へできるだけ早く到着すること。生活道路と違い、山ではどんなリスクが待っているかもしれません。遅くなって山小屋に到着するのは、小屋にとってとても嫌がられか、食事抜きというところもあります。最近では、山小屋の点在する山では、予約をしないと泊まれないということもあります。暗くなっての到着は、危険そのものです。

  2. 気象の変化は、午後になると雲がもくもくと発生して、雨や雷などに遭うことが多くなります。

  3. 「ダメだったらビバークすればいいや」という甘い考えは無くす。夜の外気はとても寒く、低体温症や動物による危害なども考えられます。

経験談1
夜遅くなってもうそろそろ就寝しようかというとき、一人の登山者が山小屋にやってきました。「遅いねー」「今頃到着かい?」という言葉が第一声です。すると、二人で行動していたが、逸《はぐ》れてしまったというのです。それは大変だと山小屋の管理人と懐中電灯を照らし、呼びかけしながら探しましたが、見つかりませんでした。
翌日、逸れたもう一人の登山者が小屋にやってきて、小屋近くまで来て、ビバークしましたと言う。先に小屋に来た登山者は、後から来た登山者を待たずに動いてしまったようです。これはダメです。

経験談2
山小屋で夕食を終え、団欒《だんらん》しているとき、一人の老人登山者が入ってきました。「随分大きな荷物だね~」「登山初心者なんで、心配でいっぱい持ってきました」と言う。「荷物が重くて、この時間になってしまいました」と言う。
初心者は、このようにいっぱい持ってくるか、まったく持ってこないかのどちらかになることが多いです。

ちょっと昔は、山小屋は宿泊希望者を拒《こば》んではいけないという暗黙のルールがありましたが、最近では予約しないと泊まれない山小屋があるので注意しましょう。
それと合わせて、予約をキャンセルするときは、早めに連絡を入れましょう。

山と溪谷オンライン 登山の原則「早出早着」の本当の意味

※ビバーク(bivouac)とは、登山などにおいて、テントを用いず露営すること(外気にさらされて安易な状態で夜を過ごすこと)を指した言葉です。

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