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雲海のある風景

山ではよく雲海を見ることがあります。雲が海のように漂(ただよ)い、ほどよいピークが島のように浮かびあがります。

山城が雲海に浮かんでいる風景が評判になりましたね。

雲海が発生する仕組みは次のとおりです。
水分を含んだ空気が冷えることで微細な水滴が生まれ、雲が発生する。
そこへ暖かく乾燥した空気の層が蓋をすることで、雲が上昇できなくなる。
上昇できなくなった雲は、横へ横へと広がっていく。
この状態を雲より高い位置から見ると、雲海になる。

雲海は、盆地で発生しやすく、早朝(日の出から数時間以内)がねらい目です。前日に「濃霧注意報」、雨上がりの翌朝に「晴れ」「ほぼ無風」の予報が出たらチャンスです。

AIによる概要

雲海が発生するには気象の条件が揃ったときで、ただ待っているだけでは発生しません。なので、出逢ったときは、偶然のチャンスですね。

AIの概要にもあるように、雲海が出ていても、その中や下では「雲海」として見ることはできません。山の上や、飛行機から見ることになります。

山で見るとき、早朝からが多く、大気が温まってくると、雲は次第に消えてゆきます。

このチャンスをどのようにカメラに収めるか、私はその時の気象条件によって表現を変えるようにしています。

スポット光を活かして

暗い中、雲海にスポットな光が入り、それによって浮かび上がるように構図してみました。

晴れ行く雲海

大気が温まるにしたがって、雲海は少しずつ「さようなら」を言って去って行きます。こんなとき私は「雲よ、演出ありがとう」と心の中で呟(つぶや)いています。

山はそこにあり、動きません。
雲は、風や温度などによって動き、変化してゆきます。
その動きの中で、動かない山は、動くのです。
動かない山を、雲は演出してくれるからです。

山は主役、雲は演出してくれる脇役とでも言うのでしょうか? それによって、山は一層威厳を表出することができるのです。

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