銅像のある風景(見晴らし公園)
気になっている銅像があります。
何度も梅を撮るために行っていた「見晴らし公園梅林」ですが、その中にひっそりと藪で囲まれて裸婦像があります。
目的が「梅」だったので、あまり気にも留めなかったのですが、「いいな!と感じたものは撮ろう」と決めてから、ずっと気になっていました。
曇天を見計らって、この裸婦像を撮るためにやってきました。
曇天でなかれば、よく撮れないのです。
晴天の日は、強い光が当たります。強い光が当たると、強い影ができます。その影は質感を壊すんです。
滝やせせらぎを撮るときと同じです。
久しぶりに来てみると、更に隠されたようになっていましたし、銅像は鳥の糞(ふん)や汚れで放置されたままです。
きっと、作者が見たらガッカリするような気がしてならないのです。
以前、あるところに全倍サイズ(900㎜×600㎜)の写真(作品)を寄贈したことがあります。ある時、近くに行った折に、「あの写真は今どうしているのだろうか?」と思い、寄ってみると、快く入れてくれませんでした。
それもその筈、ぞんざいに放置され、かなり傷んでいました。
「寄贈しなければよかった」と、ガッカリして帰った記憶があります。
この銅像は、素晴らしく、均整のとれたものです。はじめて見たとき「凄い、いいね!」と感じたのです。
だけど、残念ながら作者が分かりません。検索してみても、詳細がつかめませんでした。
誰か有名な人が評価すると、きっと生まれ変わるのですが、はたまた多くの人が「あれはいいぞ…」という声が上がれば、有名になるかもしれません。
ただ、ここで、誰かが評価したからではなく、大切なのは、自分にとっての琴線に触れたものを慈しむことだと思うのです。
裸婦像は卑猥という人もいるでしょうが、女性の持つ素晴らしさを表現したものなのです。その証拠に、かつての多くの画家や彫刻家たちも裸婦をモチーフに描いています。
素直に「いいものはいい!」という美意識をもって観たいですね。