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マクロの世界へ(栗駒山)
マクロの世界は、小宇宙のごとく、小さなものを拡大しないと見えてこないものです。例えばタンポポ、全体で見ると、丸い綿毛ですが、一本一本種をつけた竹とんぼなんです。風に飛んであちこちに旅に出ます。
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タンポポ(蒲公英)の綿毛を撮るとき、どこにピントをとったらいいのか?というよりか、マクロ撮影すれば、お分かりかと思いますが、ごく短い距離のところだけしかピントが合わず、他はボケてしまいます。
焦点距離は、被写体に近づけば近づくほど、ピントの合う範囲が狭くなります。だから、撮りにくいっちゃ撮りにくいですね。
基本的には、花などは(ものによっても違う)雌蕊《めしべ》に合わせるようにしています。
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実に細かい花びらです。花よりも秋の紅葉が主役のナナカマド(七竈)ですが、ナナカマドの白い花も可憐です。『七回竈(かまど)にいれても燃えない』と言われ、その名がついたとか? 秋には真っ赤な実をつけ、葉っぱも真っ赤に染まります。
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何の木の葉っぱだったか確認しませんでしたが、これは造形として撮りました。背景が整理され、次第に伸びてきた葉の葉脈とうぶ毛のような毛は、「毛茸(もうじ、もうじょう)」と言い、トライコーム(trichomes)と呼ばれる植物の表面に生えている細かい産毛のことで、葉を害虫から守ったり、水分の蒸発を防いだりする役割があるそうです。
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サラサドウダン(更紗灯台)は、かたまって咲いているため、撮りやすい花です。花は詳しくはないのですが、「ドウダンツツジ」かもしれません。
名前の由来は、花が風鈴のような形で紅色の筋が入り、更紗模様に似ていことから名付けられたものだそうです。
※「マクロ」とは、コンピューターなどで使われているマクロとは違い、被写体の至近距離からの撮影を言い、接写ともいいます。マクロレンズ(macro lens)を使うと、より被写体に近づいて写真が撮れます。
※全体にピントを求める場合は、少し離れたところから望遠系のレンズで切り取って撮影します。これを「テレマクロ」と呼びます。(望遠系のレンズですから、ピントの合うところは少し離れなければ合いません)
撮影地は、秋田県と岩手県と宮城県の県境にある栗駒山の秋田県にある須川湖です。