母親に愛されなかった初めての記憶
「そんなのも取れんのやったら幼稚園行きなさんな」
それは3歳の頃の記憶
物干しに干してあった幼稚園のブラウスを まだ身長も小さかった私が必死に取ろうとしていた時
母から言われた言葉だ 今も鮮明に覚えている
大人の背丈より少し高い所にそれは干してあった
どう考えても幼稚園の私に手が届くはずもない
かなりの形相で母は言った どうして… 私にできるわけがない…
一生懸命に背伸びして 何度も何度もトライしてみたが ダメだった
そのうち母は諦めたのか めんどくさそうにブラウスを取ってくれた
私を引き取った3年後 妹が産まれた
その頃からだろう 自分のお腹を痛めて産んだ妹は 母にとっては宝物だったと思う
しかし私はどうだ 父の前妻が産んだ子供
やはり比べられるのはあたりまえだ
この出来事をきっかけに 母親に愛されない40年にも及ぶ人生が始まった。