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産後うつかも?を1年以上放置したワケ#本編1
エッセイ 産後うつになったけれど #1
1話目は、私がうつ病を疑いながらも心療内科を受診するまでに1年以上かかった経緯を綴ります。
二度と立ち上がれなくなってしまうかもしれない
息子が1歳5ヶ月になった頃に初めて心療内科を受診することになるのだが、それまで一切うつ病の症状がなかったわけではない。
出産直後からずっとある、産後うつかも?という違和感を無視して、まだ大丈夫と自分に言い聞かせていたのを覚えている。
具体的な症状は別で書くこととして、私がなぜそれらの症状を無視し続け、受診までになぜ1年以上もかかったのか。
それは、
「母親である私が倒れるわけにはいかない」
「育児が大変なんて当たり前」
と思い込んでいたから。
それと同時に、「もし病を認めたら、二度と立ち上がれなくなってしまうかもしれない」という、恐怖を感じていたからだった。
産後うつなんて人に話しても何も変わらないだろう
私は、夫の転勤先で育児をしていることもあり、自分が体調を崩しても頼れる家族や知り合いがいないという環境に置かれていた。
また、夫に無理を言って育休をとってほしいと頼むことも、残業をせずに早く帰ってきてほしいと言うことも、できずにいた。
高校時代の仲の良い友達にも、私の親族にもまだ子どもがいなかったこともあり、「私産後うつかも!」なんて話す勇気もない。
弱音を吐いたところで、私を取り巻く環境は何も変わらないと絶望していたのだ。
休むことができない体になっていく
本当はめいいっぱい休みたいのに、休んだら二度と立ち上がれなくなりそう。
少しの間育児から逃げたいけど、逃げたら帰って来られなくなりそう。
そんなふうに考えていた私は、次第に休むこと自体に恐怖を感じることになる。
具体的には
眠気を誘う食べ物(炭水化物や甘い物)は摂らない
夜間授乳の間に眠らない(熟睡したら次起きるのがつらいから)
栄養ドリンクで眠気を覚ます
どう考えても不健康な生活は、そのほうが楽だからと思い込んでやっていたことだ。
激痩せ、不眠、落ち込み
息子が生後4ヶ月になる頃には、精神的にかなり不安定な状態になる。わけもなく涙が出て止まらない日が増えた。
当時自覚はなかったのだが、この頃の私の写真を見ると、頬がげっそりと痩せコケているのが分かる。
息子を早めに保育園に入れて仕事復帰したほうが精神的にいいのでは?と検討し始めたのもこの頃。保活のために役所へ出向くものの、年度途中で入所できるほど甘くはない。
解決策はないんだなと、ここでも絶望的な気持ちになる。
気付いてほしい、でもまだ大丈夫
平日は息子と2人。永遠のように長く感じられる時間をつぶすため、息子を支援センターに連れて行き遊ばせる日々を過ごした。
そこでは同じくらいの月齢の子どもたちを見たり、ママさんとお話ししたりすることもあったが、決まって感じていたことは、
「みんな育児ラクそうでいいな」
(絶対に絶対に、そんなことはないのだが。)
うちの子だけが夜間の頻回授乳が続いていて、うちの子だけが寝返りもできない。
うちの子だけが一人遊びできない…
私だけが苦しい。
ああ、また私はこの子から逃げられないのだ、誰も助けてくれる人はいないのだと絶望した。
こんなことを思ってごめんねと息子に謝りながら、ベビーカーを押して、家へ帰った。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回は、息子が1歳を迎えて保育園に入所し、私のうつ症状が急激に悪化する様子を書いていけたらと思います。