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#191 人生すべからくして夢なくしてはかないません

「人生すべからくして夢なくしては叶いません」

元神戸市長の故原口忠次郎氏の言葉です。原口氏は、明石海峡大橋の必要性を訴え続けた市長です。プロジェクトXで取り上げられた明石海峡大橋建設の物語を見入ってしまいました。

未だ明石海峡大橋が無かった無かった時代。四国では貧しさ故に経済的に厳しい生活を強いられており、経済的に栄えている関西圏を行き来する連絡船は難波することもあり死者が出ていました。

土木技師として働いていた原口氏はこの状況を見兼ねて、明石海峡に橋を掛けることを提案しました。明石海峡は対岸まで4kmほどあるのですが、世界をみてもそれだけの長さの吊り橋はなく実現できない雰囲気がありました。

市長になり明石海峡大橋の必要性を議会に訴えていたものの誰も話を聞いてくれない状態。「市長は白昼に夢でも見ているのではないか」と言われた時に言い返した言葉が冒頭にある言葉です。

この物語で惹かれたのが原口氏の動き方。
国へ明石海峡大橋の建設の陳情を続けながら、海外の吊り橋の文献を翻訳して、毎月「調査月報」という冊子作り、関係するメーカーに配り続けたのです。

大きな目標を公言しつつ、具体的に行動する。前者だけではただの口だけの人だし、後者だけでは何をしているかわからなくなる。両者を並行してこそ、人の心も自分の心も動かすものかもしれません。

ちなみに、原口氏は着工を待たずに残念ながらお亡くなりになられました。それから30年後に明石海峡大橋の工事が始まり、10年の工期で40年後に完成。その明石海峡大橋の工事に携わった技術者は、原口氏の「調査月報」を読んで勉強していたとのこと。いい話です。

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