詩作 ある人が死にたいと言った
ある人が死にたいと言った
きっとその時は優しい言葉をかけると思う
「大丈夫?何があったの?」
「…嫌じゃなかったら話聞くよ」
「どうしたの?今日は一緒にいるよ」
でも生と死の問題なんて解決はしない
そんなことは分かっている
この先辛いことが沢山あることも
世界は不平等で理不尽な山であることも
ある人は上手くいくしその他は転げ落ちる
恐らく死に体の人は冷たい
「じゃあ死ねば」
「俺が殺してやろうか」
「……(無視)」
それも人間の本質かもしれない
でも私は思う
メンタルが崩壊し
誰からも愛されず
孤独で無知で
朝仕事にも行けない
人生が哀しみに浸っている
そのような悲劇人には
やはり「死」こそ最高の薬となる
だけど自死ではない何か
それを選ぶしかない宿命にあると思う
死を思いながら一生を彷徨う
しかしそこには利益追求ではない何か
ささやかな小さな幸せが見つかると信じる
毎日を死ぬように生きることは
ある意味動物の自然淘汰のようだ
また戦時中の人類の坩堝たる輪廻のようだ
私は死にたい人が嫌いになれない
うつ病や毎日哀しに喘いでる人が正しく思う
何故ならこの世で一番賢い人は人の辛さを理解出来る人だからだ
死にたい人が人の哀しみを背負う求道者であるということではない
勿論漠然と死にたい人もいるだろう
だけど死を前提に生きる人は
今日という日は特別な最後の晩餐となる
すなわち「死」とは葉隠れであり、
芸術であり、神々とは対話である
ある人が死にたいと言った
その時僕も同じようにそう思っていることを
どの言葉が証明できるだろうか
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