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小説 のだくん3

久しぶりの机、椅子に座っていた。周りは知らない人間ばかり。教室の外には茶髪の上級生。敵に囲まれていた。のだくんは、12歳になっていた。
2年間ひきこもった。そして今日は中学の入学式。
武器はえんぴつとノート。漫画を書くためだ。
ガチガチに緊張して手汗でビチョビチョだった。チャイムがなり、先生の挨拶が終わった。
一斉に上級生がなだれ込んできた。
レイプされる!!何人かはそう思ったに違いない。のだくんは一気に、何故か漫画を描き始めた。のだくんの戦いが始まったのだ。
しかし上級生の目的は友好的なものではなく、女の子の品定めと男子に対する威嚇だった。ひとり大男がのだくんの机に立っていた。
のだくんの画力が高ければ運命は変わっていたかもしれない。しかし彼の漫画はよく分からないものだった。
コイツ面白いぜ!みんな来いよ!
上級生a が言った。BもcもDもきた。
見せしめの始まりだった。
漫画を取り上げ読み上げた。破り、捨てた。
思わずキュウと癖がでた。お前昆虫か!とつっこみが入った。
ああこれで2年前と同じになる。
愕然とした。
Bがのだくんの目つきを指摘した。
肩パンを一発。キュウと悲鳴。
ザワザワと教室。
のだくんは真っ青になっていた。
そしてノックダウン。こいつ弱わ!
爆笑。クラスがひとつになった。
のだくんは思った。強くなりたいと。

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