詩79 美しき白銀の世界からカワセミが言う
雪解けを見つめながら故郷を想う
冷めきった魂の鼓動は東北の風に同じ
大雪あとの空は澄んでいるのに
瞳の先は夕焼けの曇り空
まるでわたげのように
地をふわふわ町をふらふら
春を前に冬を愛でようと
旅人を気取り雪だるまに問う
屋根からポタポタ水滴が語る
美しき白銀の世界からカワセミが言う
私可愛いでしょ?でも寂しいの
ブルーな翼で飛び立つあなたを
僕はただただ酔いどれになって
待ってまだ一緒にお喋りしましょ
と去り逝くお姿に見惚れながら
虚しく途方に濡れた地面に俯くのでした