私は一般大学を卒業し、船乗りになりました
初めまして
大手内航タンカー会社で5000kL型タンカーに乗り甲板手として勤めているものです。
私は一般大学を卒業し、船乗りになりました。
この業界はwebなどから情報を得にくく、実際にこの業界に入ってみないとわからないことも多いため記事にすることにしました。
この記事は一般大学(社会人)から航海士(機関士)を目指される方に向けて書いております。勿論、その他の方にも読んでいただければ幸いです。
▪️プロフィール
▪️船乗りを志した理由
私は大学時代に生物系の研究室に所属していましたので、大学卒業後のルートとしては大学院進学、公務員、食品会社就職などが一般的でした。しかし、将来の仕事を模索している中で “航海士“ という仕事が世の中には存在していることを知り、その仕事について知れば知るほど、カッコよく魅力的に感じ志すこととなりました。
目指した理由にはいくつかあり、、、
①給与がいい
②スケールの大きな仕事ができる
③海が好き
④島国日本において物流の根幹を担う仕事ができる(大きなやりがい)
というものがありました。
そこで一念発起し、この業界に飛び込むことにしました。
▪️船乗りをなるためのルート
私のように大学卒業後、船乗りを目指すルートはいくつかあります。
海上技術短期大学校に進学し、“四級海技士“の免状を取得する。
東京海洋大学 or 神戸大学 海洋政策学部 に進学し“三級海技士“の免状を取得する。
外航大手3社など自社養成を行なっている会社に海上職として採用していただき、仕事として海技免状の取得を目指す。
免状なしで船に乗りながら、海技免状取得を目指す。
メリット・デメリットについて
★海技免状について
①学校について
私はルート①〜④の内、メリット、デメリットを比較して
海上技術短期大学校に進学いたしました。
入学試験はAO入試を利用いたしました。
・学校生活
この学校ではほとんどの学生が寮に入り、衣食住を共にしながら四級海技士免状の取得を目指します。
寮に入らない一部の生徒もいますが、費用面、コミュニケーション面を考慮しても寮に入るべきだと思います。
1年次では学校において座学、実習などを履修する。
2年次から大型練習船に乗船し、資格受験に必要な乗船履歴を貯める。その後、口述試験に向けて勉強することとなります。
※筆記試験は学校卒業という要件をもって、免除されます。
・就職
基本的にこの学校では、学校に届いた求人票をもとに就職活動を行います。
そのため、成績上位者より自分の行きたい会社に応募できるということです。
一度に複数の会社に応募することはできません。
また、免状の都合上求人は内航海運会社に限られます。
内航海運会社にはタンカー、フェリー、タグボート、自動車運搬船など様々船種の会社が存在し、私が在籍していた頃の求人倍率は2倍以上あった記憶があります。
▪️船乗りを目指す方へ
船乗りを目指している方、船乗りになろうか考えている人に私が現在感じていること、知ったことを素直に話そうと思います。
⚫︎良い点
①貯金が貯まる
給与が基本的に高い上に、乗船中の出費が抑えられるため(水光熱費、食事代が不要)、賢く生きれば本当にお金が貯まります。
②やりがいがある
物流というものは中々目に見えないので、あまり表立つことはありません。
しかしながら、私たちの生活、経済が安定して行えるのは、物流を止めることなく働いてくれる方々のおかげなのです。
その一端を担うということは大きなやりがい、自信となるはずです。
③長期休暇がある
会社員として働く場合、私たちのような長期休暇は享受することはできません。
休暇中に海外旅行、留学、日本各地に旅をするなど、有効に利用して楽しんでいる人はたくさんいます。
⚫︎悪い点
①長期間勤務である
内航の場合、基本的に3ヶ月勤務、1ヶ月休暇というサイクルで勤務しています。
しかし、船員不足が叫ばれているということは乗組員の数が足りていない会社が存在するということです。従って、実情3ヶ月を超えて勤務をしている人が多数見受けられます。
勿論、乗組員さんの数が足りていて上手く休暇サイクルが回っている会社もありますし、ニーズに合わせて40日勤務20日休暇などのサイクルを採用している会社もありますので、自分自身のスタイルに合わせて会社選びをしていただけたらと思います。
②長期間休暇である
これはメリットの裏返しでもあるのですが、毎日お休みというのも意外ときついです。予定がなければ暇な日々を過ごすことになります。船乗り以外の友人は平日働いているので、、、
好きなこと、副業などやりたいことを見つけてみてはいかがでしょうか。
▪️船乗りになってみて
私は船乗りになってみて、大海原を舞台に活躍できて非常にやりがいを感じています。また、知らない土地に行けたり、イルカの群れに遭遇したり、船から花火大会を乗組員で鑑賞したり船乗りならではの経験は非常に楽しいです。
しかし、船内での人間関係や長期勤務による私生活への影響など考慮する部分も数多く存在するのは確かです。
それでも、社会人出身の船乗りさんはたくさん存在しますし、若いうちに挑戦してみるのも全然アリだと思います。
▪️最後に
色々書かせていただきましたが、まだまだ書いていないことがたくさんあります。私で良ければ、時間があれば相談にも乗りますのでコメント等お待ちしております。
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