ミュージカルヘタリアを見た━好きだったコンテンツを楽しめなくなることについて
ミュージカルヘタリアを見た。前回から薄々思っていたけど、ヘタミュとはこれでお別れだなと思った。ミュージカルヘタリアは2017年のIn The New Worldを初めて現地で見た。その前の2作はあとから映像で見て、その後の新シリーズ3作は現地で見た。
以前から、ヘタミュとヘタリアは別だと思っていた。ほとんど中の人が露出したアドリブだけでなく、キャラ解釈にもずれがあった。特に🇩🇪のキャラがかなり解釈違いだった。そんなにうるさくって鬱陶しかったっけ?とたびたび思っていた。それでも、まあなんかキャストみんな楽しそうだしおもしろいしいっか〜と、ときどき寒いなーと思いながらも楽しんでいた。
結構後戻りできないくらい寒さを感じてしまったのは前作FWだった。脚本がかなり破綻してて面白くなかったんだけど、1番きつかったのはアドリブで🇬🇧がハカを踊ったこと。確か先に踊ったのは🇮🇹だった気がする。ヨーロッパの国がネタでおもしろおかしく先住民の踊りを踊るの、無理だ!!!!となった。とくに🇬🇧。本当にやめてほしかった。心が離れていくのを感じた。ケツバットもしんどかった。役者が群れるのを見たいわけじゃないんだってば。しかもそれ一歩間違えたらハラスメントじゃない?もとからキャリアの浅い出演者をいじりがちな傾向(🐥の中の人がしばしば無茶振りされているのが目についていた)があったが、ケツバットでそれらひっくるめて全てにウッと思うようになってしまった。
なんかこの人たち、このメンツで集まってこの作品独自の温度感の盛り上がりを体感するのが楽しいのであって、ヘタリアをやろうとする姿勢にはキャスト間でかなり温度差があるのかもなと思った。世界情勢への姿勢の面にも、キャストたちの作品への向き合い方の面にも問題があることは前からうすらぼんやり気づいていたが、それに目を瞑って楽しむことができなくなった。FWで良かったことは、歌が上手い🇳🇱が登場したことくらいだった。
そしてGLW。全てがダメになってしまった。前回🇷🇺を出さなかった配慮をしたはずなのに、🇬🇧🇫🇷のライバル関係を中心に今するって、正気!?その2国の揉めに大いに関係のある虐殺がいま起こってますけど。2023年の10/7の後、ヘタリアの二次創作でサイクス・ピコ協定や三枚舌外交をネタにしたものを見つけた時に頭を抱えて絶望したんだけど、まあ二次創作だし描いた人をブロックすればそれでいいやと流した。でも、(準)公式がやった。🇬🇧🇫🇷の植民地競争を。もうダメだった。あんなに暴力的でいまの世界に尾を引いている問題をおもしろおかしくやっている。それに対して客席のみんなが笑い、コーレスをし、拍手をしている。国名のコーレス、ナショナリズムが思い浮かびすぎてしんどすぎない!?(USAコールがあった。よりによってUSAて…)
アドリブもいっそう増していた。本心は知ったことではないが、NW以降の追加キャストたちもだいぶ同化していた。キャラが不在になる瞬間があった。キャラとしてのアドリブが上手い人もいる(個人的には🇷🇺あたりは上手いと思う。🇩🇪も脚本からの扱いが微妙だが、アドリブを振られても中身は本編と関係ある話にしようとする努力を感じる)。ただ、何を見せられてるんだろうと思う瞬間があまりにも長かった。やっぱりキャラでいてほしい。キャラと、例えば初日だからとか楽だからとかくらいのちょっとしたメタ発言くらいにおさめてほしい。🇺🇸、🇮🇹兄弟、🇳🇱、ちょっといくらなんでも……って思った。🇳🇱と🇮🇹兄の中の人がよくサウナいくとかどーーーーーでもいい。Twitterでいえば?🇫🇷の中の人は、私の見た回では最も新しいキャストの胸と尻を触っていた。せっかくズレないアドリブは上手いし芝居も良いし今回はメインだったのに。今回メインの2人はよかったと思う。
自分がいろんなことを気にするようになったからこその変化だというのはわかっている。ヘタリアの原作に初めて触れた時は正直、お国柄ジョークの危なっかしさも何もわかっていなかった。ヘタリアが孕む危険さに少しずつ気づいてはいても、「まあでもあれはなんだかんだ十数年前に始まったコンテンツですし」「元はと言えば個人のサイトで始まったものですし」「なんかうっかり商業的になっちゃいましたけど」「私もハマった頃にはすでにコンテンツ開始から数年経ってて、一通りの炎上をコンテンツが経験してファンたちも振る舞いを身につけてましたし」みたいな感じで割り切って楽しんでた。これこの描き方やべーだろwwみたいに不謹慎に楽しんでたフシもある。でもミュの新シリーズということで、「いやこれリアルタイムで作られてる新作じゃん!!」と許せない部分が目につくようになった。2021年のアニメや総理倶楽部連載開始時の炎上に当時納得していたという経験も大いに影響したと思う。そしていろいろあって今自分はパレスチナに関心があるので、ヘタリアの植民地を取り巻く表現にまっっったく笑えなくなった。
役者同士のパワーバランスとかも新シリーズが始まる前には考えたことなかった。はじめて見た2.5次元ミュージカルがNWだったし、その後ぽつぽつと観劇をよくするようになって、演劇界のハラスメントなんかにも関心が向くようになって、演出家と演者や演者同士のパワーバランスについても考えるようになった。キャリアの長い俳優がそうではない俳優に客の前で無茶振りをすることにヒヤッとするようになった。あと、原作とメディアミックスのパワーバランスの問題もあると思う。なによりまず原作のある作品だということを忘れないでほしい。
でも、こういうことに気づいたのはヘタリアというコンテンツのおかげでもあった。ヘタリアが好きすぎてうっかり大学で西洋史をやったから、お国柄ジョークの危険性、ナショナリズムの危険性、植民地主義の遺恨なんかに敏感になった。大好きなヘタリアのミュージカルを見に行こうと思いたったことからミュージカルのチケットの取り方や2.5次元というちょっと特殊な界隈の楽しさを知った。その結果俳優に健やかでいてほしいと思うようになった。
ヘタリアを大好きになったら、ヘタリアとのお別れにたどりついた。人生に必要な出会いだったけど、もうお別れです。本当にありがとう。thank u, next.
というか、平成の頃に楽しんでいたありとあらゆる文化にこういう面がある。男性キャラ同士の組み合わせを"腐"と読んで、男女キャラ同士をNLやノマカプと呼ぶ暴力性。壁ドン、先生と生徒が恋に落ちる少女漫画。無邪気に楽しんでしまっていたけれど、今は絶対に笑って流せないありとあらゆる表現、描写。そういうものをいつも、過去の思い出にして低い温度であの頃の楽しさを愛し続けているけど。そういうものを現役で提供している場と現役で受け取っている人たちを見るのは自分には刺激が強すぎるんだな、と今回のヘタミュで気づいた。
いや、今回1番許せないのはジャンヌをギャグキャラにされたことかも。お兄さんとあの子を忘れたんか!!!!ギャグにすんなよ!!!!!あと十字軍の頃の🇮🇹兄弟はチビでは!?!?!?!?
あと照明がめちゃくちゃ客席を向いてきて頭が痛くなりました。
下記、過去2回の自分の感想を掘り起こしたので引用しておく。
いろいろ消化できなかったというか一段とNot for me寄りだった今回の脚本、、雑では、、!?
未来からきたイタちゃとドイシが引っ掻き回した後ちゅごくが「みーんみーん泣いてないもん!王朝がみんだからだもん!!」って言うのとめりかが黒船出発させるのが同時なの、お、そういう系ね!!って思ったらまったく回収されなくてずっこけてしまった
尺の関係でストーリー変えたのにセリフの整合性とらなかったんか????
ヘタリアが持ってるなんとなくの概念ごちゃ混ぜとか不謹慎ネタとかあえてのステレオタイプ芸とかではなく単純に脚本のミスはさすがに冷めるのでやめてほしい
そして本筋も、、ぽんが主催のお祭りをやろう!でぽんがめちゃくちゃ悩むの、なんか、、、うーん、、、ってなってしまった
うまい感じにチクリとやってくれたらよかったんだがそういうのもなく綺麗にまとめちゃってそっかー、、ってなっちゃった
流石に今回ロツアは出ないのは当然としてちゅごくの扱いももうちょい考えるべきだったと思うよ、、きょくとー領大歓喜って感じだったけどいまは危険だって、、
蘭くんとてもお歌がうまくて美味しい役でかっこよくてびっくりした!!!
ぷちゃの開演アナウンスすきでした笑
ミュで芋兄弟そろうの6年ぶり!?2回目!?かな!?良!!!ビールのとこのシンクロ具合最高だった2人がもっと楽しく仲良くしてるとこみせて
ドイシわりとヘタミュオリジナルなんだよなあ、、もっとスマートな子では?
ヤクザじだいの眉毛すっきwwwwww
ただしヘタリア過激派としては独立は軽く扱わないでほしいーーー!!!!!大事なエピですよあれは、、
めりは情緒がない子ではないんだよ、、、
ヘタミュ、割とイムとめりのキャストのキャラが立ちすぎてて使いやすいのはわかるけどそのふたりばっかりにヒール背負わせるのもなあ、、
イムのルパンネタは最高でした
へたみゅにしては舞台装置凝ってて、凝るところとあえての学芸会感出すところのメリハリは結構よかった プロジェクションマッピングが客席の壁にまでくるのたのしい!
あの緞帳は青年館のもともとの緞帳なのか?笑笑 大阪ではどうしたんだ??
ただし高いところに登ったり降りたり揺らしたりが結構きつかったな、、(舞台演出安全警察)
てか、、ちょっとそれるけど、、観劇したロツア役のやまおきさんのツイに「また(国名)さまに会いたいですー!!!」「山沖さんの(国名)さま大好きです!!!!」とか書いてるのたくさん見かけてやめてくれ〜〜〜〜ってあたま抱えてしまった
いや文句しか書いてないじゃん!?なに!?
おっけ、これは二次創作!
ヘタミュ!!
キャストの熱量がすごかった!
本当にキャストもこの演目をまたやりたいと思っててくれてたんだなあ
ヘタミュキャスト陣のノリを寒いと思う人も多いだろうし、私もヘタライは若干ノットフォーミーだけど(プロ役者の部活ノリが苦手)、全力で「ここに立てて嬉しい!また会えたね!たのしんでね!!」ってしてくれると悪い気はしないのだ〜〜〜
寒くて高校の体育館で行われる卒業式ですか???みたいなステラボールだったけど、その安っぽさのおかげで開演5分前にキャストの円陣が聞こえたよ!
あの中では見やすいかなりいい席だったけど首が痛い!トイレはめっちゃ回転がいい!
メインキャラのどいつくんがいないとかどうするんですか????それヘタリアなんですか?????(過激)と思ってたけど、違和感ない題材選びと脚本でとってもたのしかった!この話を作るために新しくキャスティングされたロマーノくんも素晴らしくて、ヴェネツィアーノと並んだ時のバランスが良すぎてキャスティングした人に5億振り込みたいです
普領さんがどハマりするか盛大に解釈違いを起こして泡吹いて倒れるかどっちか、みたいな演目だった。
キャストはしょっちゅうキャラを脱ぐし好き放題するし、いや流石にそれはオタクに媚びすぎやろみたいなところもあるし、も〜〜〜これぞヘタミュ!でした。greatestで怒られそうなパロディも、戦うものの歌が聞こえてきちゃうパロディも…
相変わらず痒くなったり熱くなったり思いっきり笑ったりしながらヘタミュでしか味わえない興奮をたのしむことができました
人になかなか勧めづらい作品だし、ヘタリア好きな人にも勧めにくいメディアミックスだけど、これからもうっかり出会っちゃった人の人生を豊かな方向に狂わす作品であれ〜
中学生か小学生くらい?の女の子が待機列で後ろに並んでたのが嬉しかった!!
ヘタリアで歴史を学ぶのはだめだけど、ヘタリアとうまく付き合って人生を楽しんで欲しいと、ヘタリアのせいで学芸員資格取っちゃったり西洋史で卒論書いちゃった人は思いました
拍を気にしないで好き勝手旗振り回すぷちゃに拍通り振らせようとする貴族さんかわいすぎだった ステラボールの横長クソ客席への詫びのように準客降りみたいな演出あって楽しかった