森の中の水の中
1996年5月6日(月)
この前見たソクーロフの映像風、たゆとうってかんじ。
緑。大森の古い民家の庭。池を眺めていた。木も植えこみも深い緑で、池は緑の影に深く広くあった。池の外から中へと視線は自由に流れた。金色の鯉が目の前を流れるように過ぎた。すっきりして優美だった。
亀が二匹、遊ぶように泳いでいるのを見た。20センチ弱の体長。皿を見た。ざんぎり頭、たいまい模様の平たい甲、もみじまんじゅうのような手、嘴とまあるい目。亀じゃない。
この全体緑斑の生きものは、亀だと見えたのに河童ではないか?!
河童ぁ?
否。河童なんていないんだ。これはツクリモノだ。もの凄くよくできていて、生きているとしか思えないけど、ツクリモノだ。感嘆。