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猫が言うには

1997年7月9日(水)
まだ小さい黒猫がごはんを食べ終わった。おいしそうな魚フレーク。
玄関に行くと、小さな灰色猫が食べはじめていた。なんできょうだい一緒に食べなかったんだろ?
右手で灰色猫に触っていたら、話ができる気がしてきて、いつの間にか話していた。
「え、あんた姉じゃないの?」
「あたしは妹よ」
「妹だったの。黒が姉で? ふーん」

指に魚のほぐし身をのせて、じーっと眺め、食べた気がする。
玄関のガラス越しにmasaruの影があったけど、あの子は遂に来なかった。
猫のきょうだいの目は金。

箱1おしまい


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